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金星の特徴的な大気の謎解明は今後の系外惑星探査に活用期待

金星は地球の姉妹星とも呼ばれる惑星で、地球に最も近い星でもあります。

しかし、お隣りの惑星にも関わらず未だに謎多き天体でもあります。

そんな金星で最も大きな謎とされて来た大気の仕組みについて、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が金星に送り込んだ探査機「あかつき」が解明に成功しています。

謎多き地球の姉妹星・金星

金星は、地球にもっとも近い公転軌道を持つ惑星で、地球からの最短での距離は約4,000万キロ。

しかも、大きさ、質量、密度ともに非常に地球に似ている惑星で、地球と姉妹星とも呼ばれています。


「画像参照:Wikipedia」

半径 質量 密度
地球 6,378km 1 5.52g/cm3
金星 6,052km 0.815倍
(地球:1に対して)
5.20g/cm3

しかし、地球に似ているのはそこだけ。

その実態はとても姉妹星と呼べるモノではありません。

地球とは似ても似つかない超過酷な惑星環境

地球を宇宙から見るとその表面がハッキリと見え、青い海や緑の大地の美しさが良くわかります。

しかし金星の場合、ぶ厚い大気に阻まれ表面の様子を見る事は出来ません。

金星の大気のほとんどは二酸化炭素で構成されており、それが原因となり強烈な温室効果を生み出す事によって表面温度が摂氏460度。
気圧は海中900メートルに匹敵する90気圧と、まさに地獄絵図といった環境下になっています。


「旧ソ連(ロシア)の探査機ベネラ9号、10号、12号が1975~1978年に撮影した金星表面画像」

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

硫酸の雨が降る金星

金星の大気中には硫酸で出来た厚い雲があり、その雲から硫酸の雨も降るとの事。

しかし、摂氏500度近くにも達する地表温度のせいで、硫酸の雨も地表に届く前に蒸発してしまいます。

凄まじい暴風が吹き荒れる大気上層部

金星の大気上層部では「スーパーローテーション」と呼ばれる、毎秒100メートルもの暴風が吹き荒れています。


「画像参照:金星を巡るジェット気流「スーパーローテーション」(金星探査機「あかつき」プロジェクトサイトより)」

自転軸が反転している金星

地球の自転周期はご存じのとおり24時間です。

一方、金星の自転周期は243日。
これは金星の公転周期(225日)よりも遅い周期。

何故これほどまでに自転周期が遅いのか?
その原因は明確にはされていませんが、おそらくは金星の自転軸がほぼ反転しいる事によるものではないか?と考えられています。

ちなみに、地球の自転軸の傾きは23.4度ですが、
金星は177度とほぼ反転しています。


「画像参照:国立科学博物館HPより」

謎の大気現象・スーパーローテーションの仕組みが明らかに!

金星は、極端な温室効果や自転軸の反転などいくつもの謎に包まれていますが、その中でも特に謎とされているのが大気上層部吹き荒れる暴風・スーパーローテーションです。

これまでの常識では、惑星の大気に自転速度を大きく上回る速さで大気の循環が起きることなど有り得ないと考えられて来ましたが、金星では何故か秒速100メートルもの暴風が吹いています。

このスーパーローテーションの謎を明らかにしたのが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」による観測データです。

観測データを詳しく分析したところ、スーパーローテーションを造り出すエネルギー源になったいるのが太陽熱だという事が判明。

金星は自転速度が非常に遅いため昼間の時間帯も異常に長く、日光が当たる昼側の大気が過熱される事でエネルギー蓄積されて行きます。

逆に夜も長くなるため、夜側で冷やされてしまった大気によって「熱潮汐波」が発生。
この大気の寒暖差にに加え、低緯度の大気に角運動量を運び込むことになり、大気を自転方向に加速し続けスーパーローテーションが発生する仕組みを造り出していると考えられるそうです。


「画像参照:Planet-C project team」

スーパーローテーションによって昼側から夜側に熱が運ばれる事になり、太陽熱で暖められた大気が金星全体に行き渡る結果を生み出しているそうです。

つまり、金星では惑星全体が強烈に熱く、人が住める場所はどこにもないという事なのです。

スーパーローテーションの仕組みは系外惑星研究にも役立つ!?

近年、次々と見つかるようになって来た太陽系外惑星。

その中には、水が液体の状態で存在出来る領域・ハビタブルゾーンに位置する地球型惑星も見つかっています。

しかし、その多くは小型の恒星・赤色矮星を公転する惑星であり、赤色矮星のハビタブルゾーンは主星(太陽)にかなり近い距離にある事も同時にわかっています。

つまり、主星と惑星の距離が近いという事は、惑星が主星の重力の影響を強く受け自転と公転の周期が一致する潮汐ロックの状態にあると考えられています。

潮汐ロックを具体的に説明すると、地球と月の関係がそうであるように、月は地球の重力の影響を強く受け常に同じ面を地球側に向けています。
これが潮汐ロック現象です。

このような潮汐ロック状態の系外惑星でも、金星と同じようにスーパーローテーションのような大気現象が起こっている可能性もあり、もしその惑星に地球と似たような大気があったとしたら、バランス良く大気が循環し、それほど熱くない環境が造られ、生物の住める惑星になっている可能性もあるかも知れないとの事。

この金星探査機「あかつき」がもたらした観測成果は、今後の系外惑星の研究でもおおいに活用されることになるのは間違いなさそうです。

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