やっと!と言うか、ついにと言うか。
天文ファンが待ちに待った
人類の宇宙探査に大きな飛躍が期待出来る、最新の宇宙望遠鏡が打ち上げられました。

その名も「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」です。

この最新テクノロジーの詰まった宇宙望遠鏡は、莫大な予算と長い年月をかけて開発されました。

要するに、人類宇宙探査へのロマンが詰まった観測機器である事は間違いなく、今後の活躍が期待される望遠鏡なんです。

開発が大きく遅れた次世代の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」

冒頭でも言いいましたが、「やっと!」「ついに!」と待ち焦がれた最新宇宙望遠鏡の打ち上げ。

「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」(James Webb Space Telescope)


「画像参照:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(NASAより)」

通称JWSTは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が中心となって開発を行い、欧州宇宙機関(ESA)やカナダ宇宙庁(CSA)も出資と開発に携わってようやく完成しました。

このJWSTは、これまで数々の成果を挙げて来たハッブル宇宙望遠鏡の後継機として、当初は2011年に打ち上げが予定されていましたが、開発が遅れに遅れて10年も延期に。

あまりに高性能なため開発コストが膨れ上がり、当初の予算の4倍にもなってしまった事が遅延の大きな要因になっています。

なおJWSTの開発費は、約100億ドル(約1兆1,000億円)にも上ると米メディアが伝えています。

そんな、巨額の予算と長い年月をかけて開発された次世代宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」には世界中からも大きな期待が集まっており、人類の宇宙観測、天文学の新たな歴史の幕開けとも注目されているのです。

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巨大な最新鋭宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブ

「ジェイムズ・ウェッブ」と人の名前っぽい名称が付けられているJWST。

この名前は、アポロ計画にも携わったNASAの第2代長官ジェイムズ・E・ウェッブ氏から名付けられたモノだそうです。

JWSTは巨額の費用が使われていますが、その大きさも巨大。


「画像参照:CHRIS GUNN, NASA」

上画像でもおわかりのとおり、開発中のJWSTの横にいる作業員の大きさから比べるとかなり巨大。

全体の大きさは13.2メートル、直径は最大4.2メートルでテニスコート程にもなるくらい巨大な望遠鏡なため、世界最大級の積載量を誇るアリアン5型ロケットのペイロードにも載せる事が出来ないため、打ち上げ時にが小さく折り畳まないといけないため、その折り畳みの開発にもかなりの費用がかかってしまったと言われています。


「画像参照:ESA」

なお、主要部の大きさは、
望遠鏡の本体である対角が1.3 mの六角形をした軽量化ベリリウム製のセグメント鏡を18枚合わせて6.5 mの主鏡(Primary mirror)

サンシールド(遮光板(Sunshade))の大きさが22メートル×12メートル。


「画像参照:NASA」

これまで活躍して来たハッブル宇宙望遠鏡もかなり巨大でしたが、JWSTの主鏡口径はハッブル宇宙望遠鏡の2.5倍、面積では7倍以上にもなるそうです。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が設置される場所とは?

ハッブル宇宙望遠鏡は、地球の低軌道上(上空約570キロ)に設置され、地球を周回しながら観測を行っていました。

それに対しJWSTは遥か上空、地球から約150万キロも離れた場所に設置されます。

その場所はラグランジュ点2(L2)と呼ばれる地点。


「画像参照:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡プレスキット」

何故、こんな地球からは難れた場所に望遠鏡を設置するのか?

この場所は、地球と太陽との相対的な位置関係にあり、この場所なら太陽光を地球で遮る事が出来るのです。

この場所なら地球との太陽の重力が安定し一定距離で保つ事出来る事で通信障害も起きにくく、さらには太陽光の影響を受けないで済む。
つまり、この場所が宇宙観測に最適の場所と言えるのです。

気になるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の性能

2021年12月25日、無事に打ち上げに成功したJWST。

これから軌道に投入され約半年の試運転後、本格的な運用がスタートします。

そこで気になるのはJWSTの性能ですが、一番の注目は何と言ってもこれまでの宇宙望遠鏡を大きく凌ぐ、反射鏡主鏡の口径。
その口径は約6.5mにも達する巨大なモノです。


「画像参照:cnn.co.jp」

JWSTでは主に赤外線(中間赤外線)を使った観測を行います。

何故、赤外線を使った観測を行うのか?
その大きな理由は、宇宙空間に浮かぶ観測の妨げになる塵やガスを透過するためにあります。

それにより、より遠くの天体の観測が出来るようになり、主鏡の口径が大きくなった事で解像度も向上し、これまでにない鮮明で詳細な観測も可能になります。

ファーストスターの観測を目指すジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

JWSTの観測で期待されるのは、宇宙の謎をどこまで解明出来るか?にあり、その目的は大きく分けて5つに分類されます。

まず1つ目は、これまでの調査で太陽系外惑星は数千個見つかっていますが、その詳細はまだ掴めずにいます。

JWSTでは系外惑星の化学的組成を分析し、大気に含まれる物質を探る事で生命が存在する可能性を調べます。

2つ目は、太陽系内の深宇宙。
つまり、8番目の惑星である海王星の外側にあるエッジワース・カイパーベルト天体や小惑星、準惑星、彗星等の表面調査。

そして今、探査が続いているプラネットナイン(第9惑星)の存在を確かめる事も期待されます。

3つ目は、銀河の形成と進化を調べる事。
宇宙には人類が観測可能な銀河だけでも数兆個存在しています。

JWSTは、その銀河の分布と年齢を調べ、新たな銀河の発見を行い銀河の詳しいガス、塵、暗黒物質をマップ化する事も目的としています。

4つ目は、恒星の形成と進化、惑星系誕生の謎を調べる。
恒星形成のメカニズムや惑星系誕生の謎解明、星間物質の構成等を調べます。

そして5つ目がJWSTの最大の使命と言われても過言ではない調査。

それはファーストスターの初観測を目指す事です。


「画像参照:ILLUSTRATION BY N.R.FULLER, NATIONAL SCIENCE FOUNDATION」

宇宙が誕生(ビッグバン)は約138億年前だとされています。

その宇宙誕生からおよそ約1億8,000万年後に、第一世代の星々「ファーストスター」が生まれて来たと考えられています。

JWSTには、ファーストスターを観測するための機器が搭載されており、ビッグバンの直後、宇宙には最も軽い物質である水素とヘリウムしかなかった暗い「暗黒時代」から、どのようにして星が誕生し、宇宙が進化していったか?の過程を探求する事に大きな期待がかかっています。

次世代大型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」。

実はこの宇宙望遠鏡の開発期間は非常に長く、提案されたのは1989年で打ち上げの30年以上も前になります。

つまり言い方を変えると、長きに渡る人類宇宙観測の夢が詰まった宇宙望遠鏡とも言えます。

この宇宙望遠鏡が、何のトラブルもなく最大限に性能を発揮できる事を祈り、今後の活躍を是非期待したいモノです。