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NASA新型宇宙服を開発歴史からみる構造や性能と値段の推移

2020年代から始まるNASAの新しい有人宇宙計画「アルテミス計画」。

その準備は着々と進行中で、このほど新型の宇宙服が公開され話題に!

いったい新しい宇宙服ってどんなデザインで機能・性能はどうなのか?

そしてこの宇宙服が使われるアルテミス計画やその先に予定されている有人火星探査はどのような計画なのか?

今回は、宇宙服を中心とした新しい宇宙開発について触れてみたいと思います。

NASAが公開した新型宇宙服とは?

アメリカ航空宇宙局(NASA)が2024年までに再び人類を月面に送り込むという計画「アルテミス計画」。

これに向けて、新型の宇宙服を開発。
そしてこの程、公開され話題を呼んでいます。


「画像参照:NASA/Joel Kowsky」

それが上の画像にある2種類の宇宙服。

まず、右側のオレンジ色の宇宙服が船内で着用するいわゆる与圧服と呼ばれる「OCSS(Orion Crew Survival System)」。
通称「Orion suit(オリオンスーツ)」というそうです。

この宇宙服は気密性を重視した宇宙服で、
主に船内での活動において危険のリスクが高い局面で着用するスーツ。

例えばロケット打ち上げ時、宇宙船のドッキング時や大気圏再突入時等に使用。
宇宙飛行士たちが最も長い時間着用する宇宙服のため動きやすく、着脱がしやすいように設計されています。

続いて左側が船外活動(EMU)用の宇宙服「xEMU(Exploration Extravehicular Mobility Unit)」。

正直、この新しい宇宙服を見た時、
SF映画に登場するするような、もっとスマートでスタイリッシュなデザインの宇宙服を想像していたのですが、意外にも半世紀前のアポロ計画時代とさほど変わらない重厚感にちょっと拍子抜けの気もしますが、それでも新型だけに見た目とは裏腹に、短時間の船外活動が可能になったり、隕石等の衝突で万が一船体に穴が開いた時は、最長6日間は乗員の生命を維持できるよう設計されているなど、かなり性能が向上しているそうです。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

新型宇宙服を旧型と比べてみた

では、今回NASAが公開した新型の宇宙服はどんな機能・性能があるのか?
旧型を参考に少し比べてみたいと思います。

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船内用宇宙服(与圧服)

元々はアメリカ海軍のジェット戦闘機用与圧服を改良したのが、船内用宇宙服です。

そんな与圧服を、アポロ計画時代からスペースシャトル、そして新型を並べてみるとこんな感じ。


「画像参照:NASA/Joel Kowsky」

左端の船内用宇宙服はアポロ計画時代の1961年~1972年に使用されたモノ。

基本的には船外活動に重点を置いたスーツでかなりの重装備のため、
着脱にも相当苦労したそうです。

真ん中の写真がスペースシャトルの船内で1988年~1994年に使用されたスーツ。

このスーツはあくまでも船内用ですので、気密性と機能性を重視したモノ。

そして右端の新型オリオンスーツ。

スペースシャトル時代のスーツと比べると良く似ていて、これの改良型がオリオンスーツです。

改良点は、宇宙飛行士一人ひとりに合わせたオーダーメイド仕様で、
軽量化に加え、腕や脚等の可動域がより動きやすくなった事。
さらには、耐久性等も向上し丈夫なつくりになっているそうです。

船外活動用宇宙服

船外活動用の宇宙服は別名を”小型の宇宙船”と呼ばれるほど、
気密性と気圧の調整に優れ、宇宙飛行士の体温調整、呼吸に必要な酸素供給。

さらには、危険な宇宙線に晒されたり、微小な隕石等が飛び交う宇宙空間(船外)で、
人間の身体を守ってくれる非常に重要な役割を持っています。


「画像参照:NASA/Joel Kowsky」

左端が月面で活動する宇宙飛行が着ている宇宙服。

当時、月面で活動する宇宙飛行士の様子を動画等で観る事が出来ますが、
両足で月面を飛び跳ねたり、腰が曲がらずに地面に落ちた物を拾いにくそうにしていたりと、非常に動きにくそうにしていたのが印象的です。

そんな船外での活動で自由に身体が動かせなかった宇宙服の弱点を改善したのが今回のxEMU。

関節の可動域が大幅に改良された事で非常に動きやすくなった事に加え、
現代のITテクノロジー(高速データ通信、HDビデオと照明、情報ディスプレイ、制御装置、統合コミュニケーション、自動スーツ点検機能、真空再生二酸化炭素除去システム、薄膜蒸発冷却等)ふんだんに最新技術が詰め込まれた高性能宇宙服です。

さらに改良された点は宇宙服の着脱のしやすさ。

これまでの宇宙服は、着脱するのに時間と広い空間。
そして人手も必要だったのですが、最新型は背後から宇宙服の中に入れるようになっており、宇宙服自体がエアーロックのような役目を果たすことも出来るとの事。

宇宙服の値段はいくらなのか?

”小型の宇宙船”と呼ばれるほど高性能な宇宙服。

この値段っていったいいくらするのか?気になりますが、やはり相当高額のようです。

ちなみに、スペースシャトル時代にアメリカが開発した船外活動用宇宙服の値段は、
宇宙服本体(SSA)が100万ドル(約1億円)、背中に背負っている生命維持装置(LSS)が900万ドル(約9億5千万円)で、合計で1,000万ドル(約10億5千万円)もするそうです。


「画像参照:ファン!ファン!JAXA!」

残念ながら、今回NASAが発表した新型宇宙服の値段は公開されていませんが、
これまで一人一人の宇宙飛行士のサイズに合わせて作られていた宇宙服とは異なり、新型の宇宙服xEMUはサイズの延長・短縮が可能で、1サイズだけで男女関係なく、すべての宇宙飛行士が着用可能である事を考えると宇宙服の値段はかなり高いかも知れませんが、汎用性が高い分コスト削減にも繋がっていると考えられます。

つまり、背が低く華奢な女性から、背が高く体格のイイ男性まで着れるフリーサイズなワケですから、様々なミッションにも使用可能って事にもなり、これからの宇宙開発自体にも大きなコスト削減になるかも知れません。

SF映画のようなスタイリッシュな宇宙服は作れるのか?

NASAが発表した新型宇宙服。

そのデザインを見て、多少は色分けされてはいるものの、
従来型のずんぐりむっくり外見に少しがっかりした人もいるかも知れません。


「画像参照:NASA」

しかし、このようなデザインは過酷な宇宙空間で人間の身体を守るためには必要な構造で、
宇宙服は身体側から冷却下着・気密拘束層・断熱防護層に分かれているため、
どうしても外見的にはずんぐりむっくりになってしまうのは仕方のないことだと言います。

ただ気になるのは、現在宇宙開発には次々と民間企業も参入して来ており、
同時に新しいデザインの宇宙服の構想も発表されています。


「画像参照:Boeing社の宇宙服(Boeing)」

もちろん、民間が発表する宇宙服は実用性を考えてデザインされていますが、
これらはあくまでも船内活動用の与圧服に分類されるモノであり、
この宇宙服を着て船外に出られるほどの性能は持っていません。

ただ、宇宙服をもっとスタイリッシュでカッコいいデザインにしようとする研究は進められており、日本のJAXAも宇宙服研究チームを立ち上げ、数年前から研究を始めているそうです。

となれば、そう遠くない将来、SF映画のような、
そしてガンダムに登場するノーマルスーツのようなカッコイイ宇宙服が登場するかも知れませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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