ガンダムの宇宙軌道エレベーターの仕組みや問題点と実現の可能性

人気SFアニメ「機動戦士ガンダム」では、人類の宇宙開発の未来を描いた建造物が多数登場します。

例えば、ファースト・ガンダムではスペースコロニーが描かれており、ガンダム00では宇宙と地上を繋ぐ軌道(宇宙)エレベーターなるモノが登場しています。

実はこの宇宙エレベーターは、SFの世界だけの空想の産物ではなく、近い将来建造を検討をしている今後実在する可能性があると注目されています。

宇宙と地上を結ぶエレベーターとはどういう仕組みのモノなのでしょうか?

そしてそれは本当に実現可能なのか?少し調べてみました。



機動戦士ガンダム00に登場する軌道エレベーターとは?

機動戦士ガンダム00は、人類のリアルな未来の300年後を描いている物語です。

この時代では、地球上のエネルギー資源が枯渇してしまい、そのため宇宙にエネルギー源を求めないといけない状況になっているという設定です。

そこでこの物語で、枯渇した地上のエネルギー源の代わりとして利用されるのが太陽エネルギー。

現在でも太陽エネルギーは注目され利用が推進されていますが、地上で太陽エネルギーを利用する場合、天気など気象条件に邪魔をされ、十分なエネルギー確保が出来ないというデメリットがあります。

ガンダム00の未来世界では、そのデメリットを解消するため、地球赤道上の3箇所に高さ5万メートルにもなる巨大なエレベーター施設を建造しています。

物語ではこれを軌道エレベーターと呼んでおり、エレベーターと地球軌道上に設置された太陽光発電衛星とを繋ぎ、エレベーターを通して地上に電力を送るという仕組みが出来上がっているのです。

また、この軌道エレベーターは、人間や物資も輸送出来るという、画期的で夢のような未来の電力供給、輸送システムを確立しているのです。


「Image Credit:軌道(宇宙)エレベーターの想像図(www.gizmodo.jpより)」

実際の軌道(宇宙)エレベーター構想と仕組み

機動戦士ガンダム00の軌道エレベーターは、実際に構想されている宇宙エレベーター建造計画に基づいて作られたモノです。

宇宙エレベーターの基礎は、地上(赤道上)と地球の重力と自転の遠心力が中和している地点。
つまり、約3万6,000キロ上空の静止軌道とを結ぶエレベーターとなっています。

それが何故、静止軌道と結ぶのかについてですが、静止軌道なら、地球を周回して移動する衛星軌道とは異なり、常に同じ地上の上空に留まること出来るようになります。

この特性を利用しているのが、「ひまわり8号」に代表されるような気象衛星です。

ひまわり8号は静止軌道上に設置されているため、常に日本の上空にいることで宇宙から日本の気象状況を地上に送って来ています。

宇宙エレベーターについての詳しい仕組みについては、以下を参照いただくとわかると思いますので割愛します。

◆参考サイト:【宇宙エレベーター早わかり(宇宙エレベーター協会)

この宇宙エレベーター構想は、単なるSF的発想や夢物語ではなく実際に実現に向けて少しずつ動き出していて、2050年代頃には実現するのではと想定されています。

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軌道(宇宙)エレベーターが出来るとどんな利点が?

宇宙エレベーターが実際に建設されると、人類の宇宙開発が一気に増進されることが予想されます。

まずは、なんといっても宇宙に出るのにロケットを打ち上げなくて済むということがひとつで、ロケットを打ち上げるのには、積載物が重くなるに連れ莫大な費用がかかります。

そんな問題も、宇宙エレベーターならエレベーターに乗せ運ぶだけの低コストが実現出来、人々も安い費用で自由に宇宙旅行も出来るようになります。

そしてガンダムでも登場するように、宇宙からの恵み、電力や資源を簡単に地上に供給出来ること。

大気圏外で太陽光を利用すると、地上のそれとは比べモノにならないくらい大きな電力を創り出すことが可能になりますし、エレベーターを使って月や小惑星などから採取した資源を、地球に送ることも出来るようになります。

軌道(宇宙)エレベーター建設の問題点

宇宙エレベーター建設には、壁となる問題点もたくさんあります。

一番の問題は建設にかかる費用。
一部では1兆円~2兆円との試算もあるようですが、たぶんそれだけでは済まないでしょう。

宇宙エレベーターを建設するのに、最低でも3万6,000キロという高度まで大量の資材を運び、エレベーターの建設プラントも造らないと行けない。

あの国際宇宙ステーションでさえ、400キロ上空に建設するのに5兆円もかかったのですから、それより何倍も巨大な施設が1~2兆円で済むハズがありません。

ただ、もし建設する時代に月の開拓が進んでいれば、資材は月から運べばコストも安く済むかも知れません。

それから問題になるのが、宇宙と地上とを結ぶエレベーターのワイヤーです。

ワイヤーが長くなればなるほど、その重量はまして巨大になります。

数万キロにも及ぶワイヤーの重量をどうするのか?また強度も問題になります。

ちなみにガンダム00では、ワイヤーではなくエレベーターの移動手段はリニア(磁力)でした。

この技術が確立出来れば、重量・強度の問題もかなり緩和されるかも知れません。

軌道(宇宙)エレベーターは実現可能なのか?

宇宙エレベーター構想は、建築のプロである日本の企業・大林組が実際に計画しています。

参考サイト:【宇宙エレベーター建設構想を動画で紹介(大林組)】

この建設には、クリアしなければならない数々の問題点もありますので、2050年代に建設可能という考え方もありますが、現時点では未知数。まだまだ可能性があるかどうか探求中というのが現実のようです。