土星の大きなリング(環)はとても有名で、子供からお年寄りまで広く知られているかと思います。
しかし、このようなリングは土星だけの特徴では無く、太陽系には他にもリングを持つ天体が複数確認されています。
太陽系で土星以外に環が存在する天体があるなんて、あまり知られていないと思いますが、実はその中には意外とも思える天体にも環があることが確認されています。
それはいったいどんな天体なのでしょうか?
太陽系の天体で環を持つ4つの惑星とは?
特徴的なリング(環)を持つ惑星は太陽系に4つあり、そんな環を持つ4つの惑星を簡単に紹介してみます。巨大なリングを持つ最も有名な惑星「土星」
地球の9倍の大きさを持つ太陽系6番惑星の土星は、早くからリング(環)の存在を知られており、最初に土星のリングを発見したと言われているのが16世紀の学者ガリレオ・ガリレイです。彼は自作の天体望遠鏡で土星を観測し、あまりにも大きなリングを見て土星には耳があると勘違いしたほどだったと伝えられています。
「Image Credit:NASA,ESA,A.Simon(Goddard Space Flight Center),M.H.Wong (University of California,Berkeley),and the OPAL Team)」
縦にリングがある惑星「天王星」
土星の外側を公転するのが第7番惑星「天王星」で、この惑星にあるリングも特徴的で発見されたときに大きな話題になりました。天王星は、黄道面に対し自転軸が横倒しになっているため公転軌道を転がるように周っており、そのため天王星のリングも縦になっているように見え、他の惑星のそれとはかなり特徴的です。
「Image Credit:NASA」
意外と知られていない薄いリングを持つ「木星」
5番目の惑星「木星」は、太陽系で最も巨大な惑星で地球の11倍の大きさを持っています。木星の映像や画像を見ても、そこにリングがあるとは確認できませんが、実は木星も希薄ですがリングを携えており、1979年に木星を探査したボイジャー1号により発見されています。
「Image Credit:木星と木星のリング(Wikipediaより)」
薄い5本の環を持つ「海王星」
現時点で太陽系で最も外側を公転する第8番惑星「海王星」。海王星もまたリングを持っているとはあまり知れていませんが、非常に薄いですが5本ものリングを持っています。
「Image Credit:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した海王星と環(NASAより)」
リングを持つ意外な天体とは?
ここまでリングを持つ4つの惑星を簡単にご紹介しましたが、実は比較的最近になって発見された天体にリングが存在することが判明し話題になっています。そのリングを持つ天体とは、土星や木星のような巨大な惑星ではなく非常に小さな小惑星にリングがあることが確認されました。
リングを持つ小惑星の名前は「カリクロー」。
1997年に発見されたカリクローは、土星と天王星の間の軌道を周るケンタウルス族に属する直径300キロに満たない小さな小惑星です。
カリクローは非常に小さな天体だけに、そのリングも小規模で厚さは数百メートル程度だと推測され2つのリングで構成されているとの事で、また、このリングを安定させるには他の天体の引力も必要とのことで、もしかしたらカリクローはリングだけではなく衛星も従えるかなり特殊な小惑星ではないかとも推測されているそうです。
しかし何故、このような小さな天体にリングが存在するのか?についてはまだ謎のままで今後の調査が期待されるところです。
他にも可能性のある環を持つ天体
カリクローのように、小惑星にもリングがあることが確認されましたので、今後他にもリングの存在が期待される天体が見つかるかも知れません。それは、カリクローのようなケンタウルス族に属する天体かも知れませんし、海王星の太陽系外縁部のエッジワース・カイパーベルトの天体かも知れません。
また、まだ発見はされていませんが(2016年現在)ほぼ存在が確定的と言われている太陽系9番目の惑星。
この惑星は質量が地球の10倍以上はあるのではないか?と推測されていますので、巨大な引力で環を構成している可能性は十分あります。
さらに、数千万年後の遠い未来になりますが、火星も衛星フォボスの崩壊によりリングを持つ惑星に変貌するかも知れません。