金星が他惑星と異なる特徴を持つ5つの謎と探査機あかつきの目的

太陽系第2惑星・金星は、私たちの地球と最も距離が近く、大きさも地球に近いため地球とは姉妹惑星と呼ばれています。

しかし、姉妹惑星とは名ばかりで、環境は地球とはまったく異なる謎の惑星でもあります。

さらに、この金星は他の太陽系の惑星とは異なる謎の特徴も持っています。

そんな謎多き隣りの惑星・金星に、私たち日本の探査機「あかつき」が軌道上を周回して探査を行っています。

ここでは、金星の異なる特徴や、探査機「あかつき」の目的について簡単に解説して行きます。



太陽系の惑星で最も地球に似ている金星

金星が地球と良く似ていて姉妹惑星と呼ばれている大きな要因が、その大きさと質量です。


「Image Credit:Wikipedia」

金星は地球よりも一回り小さく、大きさが地球の0.95倍で、質量は0.82倍とほぼ同じと言っても良いくらい似ています。

また、金星と地球との距離も近く、最短距離で約4,200万キロ。
地球から見える明るさも最大でマイナス4等級で、月の次に明るく見える天体です。

そんな地球似の天体のためか?
昔の人の間では、金星にも生命がいて、なおかつ人類と似た知的生命体の金星人がいる等とウワサして来ましたが、20世紀後半以降探査が進み、その結果は金星人どころか、とても生命が生息出来るような環境ではないことも判明してしまいます。

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金星の特徴

金星は他の惑星とは異なる特徴を持っています。

その特徴が故に、地球に似ていても環境がまったく違う要因となっていると考えられています。

自転方向が逆

地球を含め、7つの惑星は全て左回りで自転していますが、金星だけは何故か右回りで自転しています。

さらに自転周期(225日)も公転周期(243日)と長く、これも他の惑星とは異なる部分でもあります。

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でも何故、金星だけ自転が逆方向なのでしょうか?
その原因となっているのが、金星の赤道傾斜角は177度である事にあります。

つまり、傾斜角177度はほぼ反転し自転軸が倒立した状態になっているため、他の惑星と逆方向に自転しているように見えるのです。

ぶ厚い二酸化炭素に覆われた大気

金星にも地球と同じように大気が存在します。

そのため、かつては金星にも生命がいるかも知れないという推測もありましたが、実際はその大気は地球とはまったく異なるモノである事が判明。

ほとんどが二酸化炭素で覆われており、地表がまったく見えないほど金星全体を厚く覆っています。


「Image Credit:二酸化炭素の厚い大気に覆われた金星(Wikipediaより)」

高温高圧の表面

厚い二酸化炭素の大気と自転周期が長過ぎ、そして地球よりも太陽に近いことが原因で温室効果が異常に高くなり、金星の表面温度は摂氏500度近くもあり、気圧も90気圧と超圧力の大気圧となっています。

さらに、雲からは硫酸の雨が降り、秒速100メートルといった強風も吹き荒れていて、完全に生命を拒絶している過酷な環境になっているのが金星の実態です。


「Image Credit:金星地表の想像図(Illustration by Detlev van Ravenswaay, Science Source)」

極端に弱い磁場

地球と姉妹惑星と呼ばれるだけに、金星の内部構造も地球と良く似ており、中心部には金属の鉄・ニッケルからなる核があり、その上層部にはマントルも存在していて磁場を造り出す環境が揃っています。

ですが、金星の磁場はとても弱いのです。

そのため、金星の表面には太陽からの有害な放射線が容赦なく降り注いでいて、これもまた生命が生息できる環境を妨害しています。

この磁場が弱い原因についてはまだ良く判ってはいませんが、おそらくは、自転速度が遅いという事が関係しているのではと考えられています。

衛星を持っていない

太陽系の惑星の中で、衛星を従えていないのは金星と水星だけです。

太陽に近い内惑星に衛星が無い原因は、太陽の引力が関係しているものと思われ、惑星の引力で衛星になる前に、太陽の強い引力で引き込まれてしまうのでは?と考えられています。

もし、金星に地球の月と同じような衛星が存在していたとしたなら、より姉妹星に近くなり生命も存在できる環境になっていたかも知れません。

近いのに謎の多い金星の探査

金星にはこれまで数々の探査機が送られ、外からは見えない金星の地表の地図まで作成されるほど調査が進んでいます。

参考サイト:【レーダー観測でつくられた金星地図】

そして日本でも単独で金星探査機「あかつき」が、金星の周回軌道投入に成功して話題になっています。


「Image Credit:JAXA 金星探査機「あかつき:(PLANET-C)

「あかつき計画」の目的は、その金星の独特の特徴を解明するためです。

特に金星の、通常の気象学では説明がつかないスーパーローテーションという、4日で金星を一周するような高速で激しい強風のメカニズムを解析する事が大きなミッションです。

この謎が解明できれば、他の惑星の気象現象のメカニズムも解明することに役立てるのではと期待されています。

ちなみに、この「あかつき」の金星観測をシュミレーション画像でリアルに体験出来るソフトがあるとの事。

そのソフトは「Mitaka」というもので、Windows専用ではありますが、個人利用に限り無料で使えるとの事です。