空気が澄んだ晴天の夜に空を見上げると、夜空一面に広がる無数の星たち~満点の星空に感動する事があります。
あの星空を見ると、無限に広がる宇宙全体を見ているような錯覚を起こすかも知れません。
ですが、満点の星空で見える数え切れないほど星たちの正体は、宇宙に存在する星のほんの一部分だけだって知ってましたか?

今回は、私たちが肉眼で見える星たちって何なのか?について少し解説してみたいと思います。

Sponsored Link

肉眼で見える満点の星たちは天の川銀河の中の天体

世界各所にある星空観賞スポット。ここで見る星空は素晴らしく、それを見た人は皆に感動を覚えるハズです。
特に高感度カメラで撮影した星空画像は圧巻で、それこそ宇宙全体に広がる星々が見えているような錯覚を起こすのではないでしょうか。

「Image Credit:iStock」
でもこれって、宇宙全体に広がる星々ではなくほんの一部分であり、見えている星たちのほとんどが私たちが居る天の川銀河の星の一部が見えているだけなんです。
つまり、地球に居る私たちには宇宙全体を見渡せることは出来ないワケで、肉眼で見る事の出来る星は視力のいい人でもせいぜい5,000個くらいなのです。

ちなみに、天の川銀河には約2,000億個以上の星(恒星)があるとされていますので、地球から肉眼で見える星なんて知れた数なんですね!?

肉眼で見ている星は天の川銀河のどの視点からなの?

私たちの太陽系は銀河の中心から約2万6,000光年離れた位置にあり、銀河の半径が約5万光年ですから太陽系がある場所は銀河のやや外側という事になります。

「Image Credit:天の川銀河内での太陽系の位置(国立天文台より)」
私たち太陽系がある場所は、銀河のスパイラルアームと呼ばれるオリオン腕の外側で比較的星の密度の低い場所から銀河の中が見えているワケです。
さらに、私たちが肉眼で見ている星のほとんどは太陽と同等、もしくは太陽より大きな星ばかりで、相当数あると思われる太陽より小さな星たちを肉眼で見る事は難しく、それ以外の星の多くも星間ガス等、地球とその星の間にある障害物の影響で光が遮られ見る事が出来ていません。

なお余談かも知れませんが、太陽系がある場所は星の密度が低いとご説明しましたが、その密度を例えて言うなら太陽と隣の恒星を2個のスイカに置き換えた場合、スイカ2個を大平洋に浮かべたくらいの非常に低い密度だと言われています。
Sponsored Link

肉眼で銀河の外にある星は見えないの?

残念ながら肉眼では銀河の外にある単体の星(恒星)を見る事は出来ませんが、いくつかの銀河なら肉眼で観測出来ます。
ただそれも非常に数が少なく正しいかどうかは不確実ですが、見える天体は、おそらく「アンドロメダ銀河」「大マゼラン雲」「小マゼラン雲」「さんかく座銀河」くらいではないでしょうか。

「Image Credit:Wikipedia」
なお、参考までに
「アンドロメダ銀河」までの距離は約230万光年。
「大マゼラン雲」は約16万光年。
「小マゼラン雲」は約20万光年。
「さんかく座銀河」までは約300万光年の距離にあります。

では、これらの天体は、夜空のどの場所を眺めれば見る事が出来るのでしょうか?
詳しく説明すると長くなりますので、簡単に探すには以下のアプリ「星座表」(無料)を使って観測の参考にすると良いでしょう。

なおアプリには、Android版とiPhone版がありますので、お使いの機種に対応した星座表をダウンロードしてみると良いでしょう。
●参考サイト①:【星座表アプリ(Android版)】
●参考サイト②:【星座表アプリ(iPhone版)】
ちなみに、大マゼラン雲と小マゼラン雲は、南半球で見る事の出来る銀河ですのでご注意を!

そもそも天の川銀河って何なの?

私たちが肉眼で見ている天の川銀河の星たちは、目で見える範囲内でもいわゆる無数を表現する例えである”星の数”ほどあります。
そんな無数にある銀河を構成するモノは、数多くの恒星や恒星が従える惑星やさらには星間ガス等が集まって出来ています。

その数は、前記もしましたが恒星だけでも2,000億個ですが、これは少なく見積もった数ですのでもっと多い可能性もあります。
そしてこの無数の星たちを従えている銀河の中心にあるモノは、太陽の約400万倍もあると考えられている、超大質量ブラックホールである事が最近の観測研究で明らかになって来ました。

「Image Credit:直接撮影に成功した天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」(Wikipediaより)」
つまり、銀河の全ての星たちは巨大ブラックホールの周りを回っていることになり、地球が太陽の周りを1年かけて回っているように太陽もブラックホールの周りを2億年以上かけて回っているのです。

「Copyright ©:DjSadhu All rights reserved.」

そもそも肉眼で見えない宇宙ってどれくらい広いの?

これまでの解説で、私たちには宇宙全体は見えていない事がおわかりいただけたと思います。
では、いったい宇宙とはどれくらい広いのでしょうか?
それは、あまりにも広過ぎて、私たちが想像出来る範囲ではとても理解できないほどの広大さなのです。
例えば、これまで解説して来た私たちがいる広大な天の川銀河さえも宇宙の中ではとても小さな存在であり、大小様々な銀河が約50個ほど集まった局部銀河群のひとつに過ぎず、アンドロメダ銀河や大マゼラン雲等も局部銀河群に含まれています。
更に、その局部銀河群も直径2億光年を超える100以上の銀河群が集まった銀河団(おとめ座超銀河団)の中にあり、その想像を絶する広さの銀河団さえも宇宙の一部に過ぎず、人類もまた宇宙の全体を見渡す事は出来ておらず、理論上の宇宙の広さ(可視宇宙)は約900億光年以上あるのではないか?と考えられています。

「Copyright ©:Scientificus All rights reserved.」

星の数ってどれくらいあるの?

広大過ぎる宇宙。そこにある星の数など想像すら出来ないのが現状ですが、ある著名な天文学者が言うには、
「(宇宙にある星の数は)地球上の全ての海岸の砂粒を集めた数より遥かに多い。」との事。
つまり、数える事など不可能な数の星が宇宙には広がっているという事になるのでしょう。
そしてそれは、人類の観測技術がどんなに進歩しても宇宙全体の広さを知る事は出来ない。という事でもあるのかも知れません。

私たちが目で見える宇宙(星空)は壮大で美しい!
宇宙の広さがどれほどのモノなのか?
それを認識した上で星を眺めると、また違った感動を覚えるのかも知れませんね。
Sponsored Link