天体観測技術が目覚ましく進歩している今日。次々と太陽系外で地球型惑星が発見されており、地球外生命体存在への期待も高まっています。
そんな中、現在見つかっている天体のほとんどが惑星で、その中には地球に似た地球型惑星もいくつか見つかっています。

発見された地球型惑星がどれだけ地球と似ているか?似ていればそこに生命体もいるかも?と期待もあるかも知れません。
ですが、生命が存在するのは何も惑星だけとは限りませんし、地球型惑星だけではなく惑星に付随する衛星等もその対象になって来るでしょう。
もしかしたら、地球型衛星にも生命存在の可能性があるのではないでしょうか?

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2009年に地球周回軌道上に投入されたケプラー宇宙望遠鏡(2018年に運用終了)により、実に数千個もの太陽系外の恒星系に惑星が発見されています。
その発見された惑星の中には、地球と良く似た惑星も存在しており、発見される度に生命体が居るのではないか?と話題になり期待されています。

「Image Credit:ケプラー宇宙望遠鏡NASA/JPL-Caltech」

これまでに太陽系外で発見された地球型惑星

地球型惑星は別名を「岩石惑星」と呼び、惑星表面が固体の岩石で構成されている惑星の事を指し、太陽系での地球型惑星は地球を含む水星・金星・火星がこれに該当しますが、この事でおわかりのように、ひとくくりで地球型といっても必ずしも地球のような環境の惑星だとは限りません。

「Image Credit:NASA/Lunar and Planetary Institute」
これまでケプラー宇宙望遠鏡により発見された地球型惑星の数は1,000個以上で、そのうち生命生存可能領域と言われるハビタブルゾーン内に位置する地球型惑星は数十個ほど見つかっているそうです。
もちろん、これらの惑星は地球から遥か遠い場所に存在していますので、生命生存可能領域にある地球型惑星と言っても、そこに生物が居るのか?までは今の観測技術では確認出来ていません。
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地球型惑星でない星もハビタブルゾーンで発見されている事実

惑星表面を岩石で覆われた星が地球型惑星なら、木星や土星のように惑星全体がガスで構成された惑星を木星型惑星と呼び、天王星や海王星のようなガスと氷で構成された惑星を天王星型惑星と呼び、木星型惑星も天王星型惑星も地球型惑星よりも質量の大きい巨大惑星です。

「Image Credit:NASA/Lunar and Planetary Institute」
ケプラー宇宙望遠鏡は、ハビタブルゾーン内にいくつもの木星型・天王星型惑星も発見しています。
地球型惑星と違いこのような惑星は、岩石で出来た地表の存在しない惑星ですので、仮にハビタブルゾーン内に位置する天体であったとしても、その惑星自体に生命が存在することは考えにくいかも知れません。
ですが、これらの惑星の特徴は重力が大きく、その強い重力で衛星も多く従えている可能性は十分あり、もしかしたらそれらの衛星に生命存在の可能性があるかも知れません。

衛星にも生命が存在するかも知れないという根拠

では何故、惑星ではなく衛星に生命存在の可能性があるのでしょうか?
その理由としては、太陽系でも木星の衛星「エウロパ」や土星の衛星「エンケラドゥス」など、どちらもハビタブルゾーンからは遠く離れている場所に位置する衛星ですが、現在これらの衛星には生命存在の可能性が高いと指摘されています。

(※ 画像の大きさは実際の衛星の大きさ比例しているワケではありません。)「Image Credit:日本科学未来館」
つまり、太陽系外で発見されたハビタブルゾーン内にある惑星に衛星があれば、それらも生命探査の対象となる可能性がありり、もしその衛星に土星の衛星「タイタン」のように大気が存在するとなれば、より一層期待も高まるというワケです。

「Image Credit:大気を持つ土星の衛星・タイタン(Wikipediaより)」

太陽系外の惑星で衛星を発見するのは困難?

ケプラー宇宙望遠鏡をはじめ、太陽系外で惑星を探す時の基準となるのは主星である恒星であり、惑星を見つける場合、明るい恒星の前を横切る天体をその恒星の周りを公転する惑星として捉える観測方法を主に行っており、この観測の仕方はトランジット法という手法です。
◆ トランジット法の動画解説

「Copyright ©:ESA Science & Technology All rights reserved.」
しかし、惑星を周回する衛星を捉えるのは非常に困難で、現時点では太陽系外衛星はほとんど見つかっていません。
何故、太陽系外衛星を見つけるのが難しいのか?それは、惑星自体が恒星のように光を放たないため、そこに衛星があるかどうか確かめることは難しく、何より太陽系内の惑星の衛星でさえ発見するのは難しいくらいですから、遠く離れた太陽系外で衛星を発見する事は至難の業と言えます。

衛星まで考慮すればより一層高まる地球外生命体への期待

これまで太陽系外のハビタブルゾーンで発見された惑星たち。惑星そのものは、地球と似ていても表面温度が生命生息に適さなかったり、大気が無かったりとしてある意味、生命体の期待がスルーされる場合があります。
しかし、惑星が生命生息に適さなかったといっても、今後の観測技術の進歩でそこに衛星を探し出すことが出来るかも知れません。
例えば、2009年に公開され大ヒットしたSF映画「アバター」の舞台も木星型惑星の衛星・パンドラに住む原住民が主役でした。
もちろんこれは架空の物語なので、実際の宇宙と同じとは言えないのですが、これまで発見された惑星の中にも衛星・パンドラのような星が存在することは十分考えられるのではないでしょうか。
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