真夏の暑い時期、良く「猛暑日」という言葉を聞きますが、最近では「猛暑日」よりさらに暑い「酷暑日」という言葉も飛び交うようになっています。

ちなみに「酷暑日」というのは最近になって呼ばれるようになったそうなんですが、猛暑より暑い酷暑は地球にとって深刻な状況も意味しています。
そんな地球の危機に警告を鳴らすようなデータが公表され、それほど遠くない将来、もしかしたら私たちは暑くなり過ぎた地球に住めなくなるかも知れない、危機的状況が訪れるかも知れないと言うのです。

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地球を軽んじた人類の大きな誤算

良く人の命を地球と比べ『一人の生命は地球よりも重い』などと例えた法話がありますが、私は以前からこの言葉がとても納得できないでいます。
この言葉の意味は、人命が如何に大切か!?を例えた表現だと思いますし、私自身も人命は尊いものだと感じていますが、それでも人の命と地球の重さを比較する事はおかしいのではないか?
言いたい事はわかりますが、比較対象が地球というのがどうも納得できる材料ではない・・・とまぁ、ちょっとグチっぽくなってしまいましたが、とにかく、地球の重さは人命だけではなく、地球に住む全生命にとってなくてはならないかけがえのない存在である事は間違いないのです。

「Image Credit:iStock」
この言葉の意味を私たち人類がどう捉えるかどうか?はわかりませんが、私たちはこれまで人の命(⁼生活)を支えるために、地球の自然を軽んじ雑に扱って来た!その結果、これからの人類は大きな代償を支払わなければいけない事態になりつつあります。
つまり、人々の生活を優先するあまり自然のバランスを崩してしまい、地球上の全生物に悪影響を及ぼしつつある、深刻な地球環境破壊を人類は引き起こしてしまっているのです。

人類が引き起こした代表的な地球環境破壊

地球環境破壊と聞いて真っ先に思い浮かべるのが地球温暖化問題ではないでしょうか?
人類はこれまで自分たちの生活を豊かにするために、生活で使った二酸化炭素を中心とした温室効果ガスを、大気中に大量に放出し続けて来ました。
その結果、温室効果ガスが大気中に膜を貼る状態になったため、太陽や地上からの熱気が宇宙空間に放出されにくくなり気温が上昇し続けていき、北極や南極地域の氷が溶け海面上昇を引き起こし、気温が上昇する事で砂漠化が進み、大雨や大雪による水害が拡大、さらには森林火災までも引き起こしやすい事態となっています。

「Image Credit:Wikipedia」
また、人の営みの中で無秩序に捨てられたプラスチックや化学薬品等の廃棄物を、動物たちが飲み込んだりして生態系のバランスも崩れようとしています。

「Image Credit:iStock」
つまり、この地球環境破壊は全て身勝手な人類が引き起こした所業。もちろんこれ以上の自然破壊が許されるワケはなく、早急に環境改善へ動かないともっともっと大変な事態になるのです。
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このまま環境破壊が進むとマジで地球に住めなくなる?!

おそらくは多くの人が肌で感じている事。それは「年々少しずつ夏が暑くなって来ている。」という事ではないでしょうか?
そんな中、あるジャーナル誌に掲載された論文によると、「西暦2100年までに地球上の20億人が住む地域は暑過ぎて住めなくなる」と概算が出ていると言います。

「Image Credit:iStock」
論文によると、人が快適に住める地域の年間平均気温は13度ほどで、この気温であれば経済や農業等が安定するそうなんです。
しかし、この快適な環境は現在でも地球全体というワケではなく、快適ではない環境に今も世界人口のおよそ9%(6億人)が暮らしているそうなんですが、このまま環境破壊が進むと、2100年頃には地球の平均気温は2.7℃上昇するとの試算が出ており、この気温上昇により世界人口の約22%(20億人)が危険な高温下に晒されると予想されています。

「Copyright ©:WWFJapan All rights reserved.」
もちろん、危険に晒されるのは人間だけではなく、その地域に住む他の動植物にとっても同じで、彼らはもっと深刻な事態に陥る事は間違いないでしょうし、私たち人類は彼らを救うためにも気候変動を防ぐ決定的な政策を早急に実行する必要があるのではないでしょうか。

知っておこう地球がどれほど奇跡的な星かを!

この天文系のサイトで地球環境問題を取り上げる理由。それは、地球という星がどれほど奇跡的な環境に恵まれて誕生したのか?その事を、少しでも多くの人たちが知れば、もっと環境を大切にしなくてはならないという意識に繋がる事を願っているからであります。

「Image Credit:Wikipedia」
「奇跡の星・地球」と呼ばれる理由は具体的な理由があり、少なくとも太陽系内、または近隣の恒星系のどこを探しても、これだけ生命が定住出来る星は地球以外にありません。
そんな理由をいくつか挙げてみると・・・
  • 太陽系が銀河内の星の密度が低い領域にある。
    2,000億個以上もの星(恒星)を抱える銀河系(天の川銀河)において、太陽系がある領域は、銀河の中心から離れた近隣に危険な星(大質量恒星等)が無く、星の密度が低い平穏な領域に位置する事。
  • 太陽が長寿命で穏やかな活動をしている。
    太陽の寿命は約100億年あると考えられており、また、表面温度もそれほど高くなく(約6,000度)、活動も穏やかで生命が進化を促進する役割を担っている事。
  • 太陽と地球の距離が絶妙。
    主星(太陽)から適度な距離を保つ公転軌道を持つ地球は、ハビタブルゾーンと呼ばれる生命が生息しやすい領域に位置している。
  • 絶妙な大きさの衛星がある。
    太陽系には衛星を持つ惑星が多数ありますが、地球には絶妙な大きさの衛星・月(大きさ:地球の1/4、質量:地球の1/81)と、惑星に対し、これほど大きな衛星を持つのは地球だけで、この大きな月によって、地上に潮汐力が生まれ、大気や海水を程よく循環させてくれており、それ以外でも月のおかげによる地球への恵みは多くあります。
このように、地球の軌跡をいくつか挙げてみましたが、それ以外にも生命に溢れる地球を創った奇跡はいくつもあり、現時点では、宇宙どこを探しても地球のような環境を持つ星は存在していません。
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