私たちの足元の奥深く・・・つまり、地球の内部、そして最深部はどうなっているのか?考えた事があるでしょうか?
「地球の内部は空洞になっていて地底人が住んでいる。」と、実際には誰も見た事が無い事をいい事に、オカルト的な発想をするなんて事は非現実的過ぎる話でそんなワケなどないのですが、科学的分析のもと地球の内部がどうなっているのか?これまで謎に包まれ未知の領域についても詳しくわかって来たようです。

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一般的に判明している地球の構造

地球の表面は硬い岩盤で覆われ、そこに水が溜まり海が出来、海の無い場所は大地となり山が出来、山からは川が流れ、私たちはその大地に足を降ろして生活しています。
しかし、これまでの調査・分析研究の結果、硬い岩盤は地球の表面だけで、内部は高温・高圧の状態になっており、そこには粘性の高い物質や液体や固体の金属がが存在する事が明らかになっています。
◆ 地球の内部構造
  • 地殻岩石質構造・深さ30~60km
  • 上部マントル固体の岩石(主にかんらん岩)・深さ約400km
  • マントル遷移層マントルを構成する岩石結晶構造が相転移を起こす領域・深さ約410~660km
  • 下部マントル深さ~約2,900km
  • D層コア(核)と接するマントル最下層領域・深さ~約200km
  • コア(外核)液体の鉄が主成分・深さ~約5,100km
  • コア(内核)固体の鉄が主成分・深さ~約6,400km

「Image Credit:【SPring-8
地球の内部構造については小学校の理科の授業で習っていますので、ほとんどの人はこの事は知っていることと思いますし、上画像のように地球の内部は物質毎に幾重にも層が重なった構造になっています。
ちなみに、私たちが立つ大地である硬い岩盤で出来た地殻の層の厚さは数十キロ程で、地球の半径が約6,400キロである事を考えると、地殻の厚さは”リンゴの皮”程度と言っても過言ではないかも知れません。

新たに判明した?地球最深部の構造

地球の最深部であるコア(内核)部は月に匹敵する大きさを持っており、温度は5,000度程で、圧力は地表の364万倍にもなる超高温・高圧の環境だと考えられています。

そんな地球の内核部について、このほど新たなる研究結果が発表されており、それによると地球中心部を通過する地震波を測定した結果、内核の最深部には約650kmにも及ぶ鉄とニッケルが主成分の合金で出来ていると推測される金属の球体が発見されたと言います。

「Image Credit:Drew Whitehouse/Son Phạm/Hrvoje Tkalčic」
なお、この新たに発見した内核最深部「最内核(Innermost inner core)」は、以前から存在が示唆されていたとの事ですが、地震波測定器を組み合わせる事でその反射信号で内部の詳細データが分析出来、最内核の存在が判明したそうです。
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地球の内核の自転が反転した可能性

地球の最深部には鉄やニッケルが主成分の超高温・高圧のコア(内核)が存在していますが、この内核も地球の自転と同様に自転している事が分かっています。

「Image Credit:USC Graphic/Edward Sotelo」
しかし、このほど(2023年1月)北京大学の研究グループが地球の内核部に関する論文を発表しており、それによると「地球内核の自転が反転している」可能性があるとの事です。

論文には、研究チームは1960年代以降、内核を通過する地震波を調査し続け内核の回転速度を推定していたといい、その調査データでは2009年以降、それまで変動していた地震波にほとんど変化が見られなくなった事が判明し、これが意味する事は、すなわち内核が回転を停止したのではないか?と推測されると言い、また2009年以降の10年間は地震波に明確な変化が見られない事から、この間、内核の自転はほぼ停止し、現在は逆戻り(反転)している可能性もあることを示唆していると言います。

このような「内核の自転が反転」した等と聞くと、地球に天変地異が起きるのでは?との心配の声が挙がるかも知れません。
ですが、内核の自転は液体である外核の流体運動によって発生する磁場で推進されていると考えられており、この自転の加減速は約70年周期で起きていると見られ、また約30年毎に反転している可能性があると推測されていますので、内核の自転が止まったり反転したからと言って心配する必要はなく、この現象はあくまでも地球自然サイクルのひとつだと言えるモノなのではないでしょうか。
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