2012年に日本各地で観測出来た金環日食を覚えているでしょうか?
真っ昼間なのにも関わらず辺り一帯が夜のように暗くなり、空を見上げるとそこにはリング状に輝く太陽が見え、その光景を目にした日本全国の人たちが、幻想的な天体ショー酔い痴れた事を思い出します。
その後も、世界のどこかで金環日食は観測されてはいますが、日本でまた観測されたという情報を聞く事はありません。
あの時の金環日食を経験したら「また見たい」と熱望している人は多いかと思いますが、次に見られるとしたいつになるのでしょうか?
ここでは、金環日食に限定した今後の観測予報について情報を発信してみたいと思います。
まずは2012年の金環日食を振り返ってみよう
2012年5月21日。月曜日の朝それは起こりました。日本国内では、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方など広い範囲で早朝の6時過ぎに金環日食が始まり、夜が明けて日が昇って来たにも関わらず辺りが暗くなり始めた事で、日食が起こる事を知らなかった人はさぞかし驚いたことでしょう。
そして月が完全に太陽を覆い隠した日食最大の時、辺りは真っ暗に!
月が完全に太陽に重なった事でリングのように見える金環日食を、首都圏近郊を含む日本各地で観る事が出来たのは173年ぶりだったそうです。
◆ 参考動画:2012年5月21日、東京(築地)で観測された金環日食。
日食が起こる仕組みとは?
金環日食の解説をする前に、日食は何故起こるのか?について簡単に解説しますと。「Image Credit:kdshutterman/Shutterstock.com」
日食とは、月が太陽と地球の間に入り込む事で、月が太陽を覆い隠してしまう天文現象です。です。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
●参考記事:【日食の仕組み】
日食は、月が太陽の前を横切る時の太陽の隠され方で、3つの種類に分けられます。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
- 部分日食:太陽の一部分が隠れる日食
- 皆既日食:太陽が月に完全に覆い隠される日食
- 金環日食:月が太陽を完全に覆っても、太陽の方が月より大きく見える事で太陽の縁がはみ出して見える日食
金環日食は何故起こる?
金環日食は、月が太陽を覆っても完全に太陽が隠れ切れていない状態で起きますが、皆既日食の場合は完全に月が太陽を覆う事で起こります。しかし、太陽と月は同じなのに、どうして金環日食と皆既日食に違いが生じてしまうの?と、単純に疑問に思う人がいるかと思います。「Image Credit:Wikipedia」
その理由は、太陽と月は常に同じ大きさで見えているワケではないからです。
つまり、月は地球を同じ距離で公転しているのではなく、少し楕円を描く公転軌道(公転周期約27日)を持っており、その軌道の違いで月が大きく見えたり小さく見えたりしているからであり、月が最も大きく見える最接近時(近地点)の地球と月の距離は約35万キロ。最も小さく見える(遠地点)で約40万キロとその差は約5万キロもあります。
「Image Credit:Canon Global」
また、地球と太陽との距離も一定ではなく、少しですが地球もまた太陽を楕円を描いて公転しており、地球が最も太陽に接近する近日点1月3日の太陽との距離は約1億4,710万キロ。最も太陽から離れる遠日点の7月5日の太陽との距離が約1億5,210万キロとなります。
「Image Credit:中日新聞)」
これにより、見た目上で月が太陽より少し小さい事で日食が起こった時に、太陽の縁がはみ出す事で金環食となって見えるワケです。
次の金環日食はいつやって来る?
さて、2012年に日本各地で見られたような金環日食をまた観測する事が出来るのか?気になるところではないでしょうか?とは言っても、金環日食はそう簡単に見るなんて事は出来ないワケで、2012年のような奇跡は残念ながら起こらないのですが、2030年6月1日に北海道限定で完全な金環食を観測出来るようなのです。
「Image Credit:日食ナビ)」
上図↑↑を見ると、2030年6月1日に金環日食が見える”金環帯”はほぼ北海道全域を通っており、特に中心食となる赤いラインは札幌の近くを通っていますので、当日は札幌とその周辺地域に行けば、間違いなく幻想的な金環食を見れると思います。
また、2030年6月1日の北海道金環日食までのカウントダウンサイトもありますので、こちらも活用してみてはいかがでしょうか?