「無限に広がる大宇宙!」どこかで聞いた事のあるフレーズですが、実際のところ宇宙は無限なのでしょうか?
その事については、現時点で私たち人類が考える宇宙の大きさ(広さ)は、「宇宙は有限だけど無限の広さがある」という、イマイチ意味不明とも言える表現が正式な見解です。
とは言うものの宇宙はどれくらい大きいのか?具体的に答えられる人はいないと言っていいでしょう。と言うより、宇宙の広さは途方も無く、ちっぽけな存在である私たちには到底想像も出来るモノではないのです。
と言うワケでここでは、想像も出来ない大きさを持つ宇宙を、あえて階層図というスケール図で表現してみました。

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まずは太陽系の大きさを具体的に知っておこう!

今回の話題。「宇宙の大きさはどれくらい?」を知る前に、私たちが住む地球のある太陽系はどれくらいの大きさなのか?について具体的な例を挙げて知っておきましょう。

「Image Credit:NASA/JPL

地球に一番近い天体「月」との距離

地球の衛星は?と聞くと、誰もが答えるのが「月」です。それぐらい月は身近な天体であり、見上げると大きな月が空に浮かんでいるのでスグ近くにあると思われるでしょう。
確かに月は地球に一番近い天体ではあるのですが、”スグ近く”と言う程ではなく、具体的な例で挙げると「結構遠い・・」という感覚を持ってしまうのではないでしょうか?

「Image Credit:地球と月の大きさ比較(上図)と距離関係(下図)(Wikipediaより)」
上画像↑↑でもおわかりのように、月は地球の4分の1程の大きさですが、距離は約38万キロ(平均)。例えば、この距離を地球を直径1メートルに置き換えてみると、およそ38メートルほどの距離となります。
こうやって聞くと、地球~月間の距離は意外と遠いって事がおわかりか?!と思います。

地球に一番近い恒星「太陽」との距離

次に地球と太陽の距離について具体的な例で解説してみます。
太陽もまた地上から見ると、肉眼で直視すると危険なほど大きく光り輝いていますが、地球と太陽の距離は約1億5,000万キロも離れています。
でも何故、これほど地球から離れているのに太陽は大きく見えるのでしょうか?・・・といった疑問の答えは単純で、太陽はそれほど巨大だから!という事なのです。

「Image Credit:Planet Compare
太陽の大きさは地球の約109倍。つまり、地球を直径1メートルに置き換えると太陽の大きさは109メートルになるって事で、これを同じサイズで距離に置き換えると、地球から太陽までの距離は約12キロの距離って事になります。

太陽系は想像以上に大きい

多くの人は、太陽系の範囲は一番外側にある海王星までだと思っているのではないでしょうか?
実はそうではなく、太陽系は海王星の遥か外側まで広がっており、太陽系の最外縁部は、太陽系全体を球殻状に取り囲む微天体(主に氷や塵)の集合体「オールトの雲」だとされています。

「Image Credit:Vito Technology,Inc.
ただ、このオールトの雲は実際に観測されているワケではなく、あくまで理論上で想定される空間であり、このオールトの雲を起点とし、気の遠くなる年月をかけて多くの彗星がやって来ると考えられています。
なお、オールトの雲の内側の境界は太陽から約3,000億キロ離れていると推測され、外側は1兆キロ~30兆キロ先ではないか?と考えられており、すなわち、オールトの雲の大きさが正しければ、光が1年間に進む距離が約10兆キロ(正確には9兆4,600億キロ)ですので、単純に考えても太陽系の大きさは1光年以上はあると推測されるのではないうでしょうか?!
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途方もなく広大な銀河系

私たちの太陽系があるのは銀河系(天の川銀河)で、銀河の大きさは直径10万光年だと考えられており、太陽系は銀河の中心から約2万6,000光年~2万7,000光年の位置にあるものと考えられています。

「Image Credit:加藤恒彦, 4D2U Project, NAOJ, ALMA (ESO/NAOJ/NARO
なお、上画像↑↑に表記されている銀河の外縁部「ハロー」は、銀河を包み込むように丸く分布する星の成分で、10万光年という銀河の大きさは渦巻きを形成する円盤部のみで、実際の銀河系はハローまでの含んだモノが銀河系全体を形成していると考えられ、銀河の中心からハロー外縁部までは50万光年以上あるのではないか?と推測されています。
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宇宙の大きさは理解不能なほど広大だった

さてここまで、太陽系から銀河系までの広さを解説して来ましたが、ここからが本題で「宇宙の大きさ」がどれくらいなのか?それは、太陽系はもとより銀河系の広さは宇宙の広さに比べたら、ほんの一部に過ぎないという事がわかるくらい広大過ぎて理解不能と言えるほどで圧倒されてしまいます。

「Image Credit:NASA,ESA」
少しわかりにくいかも知れませんが、宇宙の大きさを階層図的に表現したモノですが、まず上図↑↑の左上から人間の大きさを約1.5~2メートルで表すと、人間が住む地球の大きさが直径は約1万2,000キロメートル。
そして地球が属する太陽系を約1光年の大きさにすると、太陽系は直径10万光年の天の川銀河中心から約2万7,000光年に位置し、その天の川銀河は、アンドロメダ銀河や大マゼラン銀河等、約大小50~60個以上の銀河で構成された約1,
000万光年程の局所銀河群。そして局所銀河群を含んだ銀河の集団が1億光年を超える大きさの「おとめ座超銀河団」までを表しています。
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このように超銀河団までを簡単な階層図にしてみましたが、宇宙は私たち人間等ではとても考えが及ばない程広い空間であり、それをよりわかりやすく解説した動画をお借りしましたので参考までに。

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宇宙のスケールは計り知れず、この範囲を100億年サイズのスケールで観測すると、超銀河団ですら、かなりちっぽけな存在になって来ます。
さらには、現在も広がり続けているとされる宇宙。ですが、宇宙が誕生して138億年だとしても、その138億光年先までが宇宙の果てだとは限らず、まだまだその先にも宇宙は広がっているのではないか?!とも考えられており、それが現実なら、今の人類の観測では「宇宙の果て」を知る事など到底不可能という考え方も出来るのです。
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