もし、私たち人間が太陽系のどこかの天体を訪れて、そこでジャンプしたらどれくらい飛べるのか?
つまり、その天体にはどれくらいの重力があるのか?というシュミレーションを行った動画についてご紹介しましたが、今回は前回に続き第2弾をお届けしたいと思います。

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天体によってジャンプ力は変わる!?をリアル再現した動画

前回もご紹介した、いろんな太陽系天体でジャンプしたらどうなる?をリアル再現したアメリカの科学YouTUBEチャンネル「BRIGHT SIDE」の動画をご紹介しました。
それがコチラ。

「Copyright ©:BRIGHT SIDE All rights reserved.」
前回までは、水星、金星、月、火星、フォボス(火星の第一衛星)、ケレス(小惑星帯にある準惑星)でジャンプしたらどうなるのか?をご紹介しましたが、今回はケレスよりもさらに遠い天体をいくつかご紹介します。

太陽系最大の惑星・木星の重力は巨大だった!

第2弾で最初にご紹介するのは太陽系最大の惑星・木星です。
地球から木星までの平均距離は約7億キロ。大きさは地球の約11倍で表面重力は24.79m/s²。地球の約2.3倍あります。
そんな木星でジャンプしたらどうなるのか?
・・・とその前に、木星には地球のような硬い地面はなくブ厚いガスで出来ているガス惑星です。
そのため、実際には木星表面でジャンプする事なんて出来ませんので、動画では宇宙船の上?でジャンプしてみたという感じで紹介しています。
というワケで木星でジャンプしたら、地球で50センチジャンプ出来る人だと20センチしか飛べなかったとあります。
ちなみに、木星の表面を至近距離で撮影した最新画像がコチラ。

「Image Credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran」
現実の木星では、惑星全体を強烈な嵐が吹き荒れていますので、動画にあるように人が木星表面近くまで降りて行くという事は危険過ぎでまず不可能と言えるでしょう。
ちなみに動画では木星の象徴的模様である大赤斑にも少し触れています。

「Image Credit:地球と木星の大きさ比較(Wikipediaより)」
大赤班は木星で発生している台風のような嵐の渦であり、これは木星の恒久的な模様ではなく現在少しずつ嵐が弱まって来ており、おそらくそう遠くない未来には消えてしまう可能性があります。

太陽系最大の衛星・ガニメデは惑星の水星よりも大きい!

続いては、有名な木星のガリレオ衛星の1つガニメデ。

「Image Credit:Wikipedia」
ガニメデは太陽系最大の衛星で惑星である水星よりも大きな天体です。
そんなガニメデの表面重力は1.428m/s²で、最大の衛星とは言っても地球よりは遥かに小さいため、人がジャンプすると約3メートル程飛べると推定されます。
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氷のリングを纏う美しい惑星・土星

土星もまた巨大なガス惑星で、特徴は誰もが知る美しいリング(環)ではないでしょうか。

「Image Credit:カッシーニが撮影した土星のリング(環)の全景(Wikipediaより)」
美しく巨大な環を持つだけあってその重力も大きく表面重力は10.44m/s²。それでも地球でのジャンプ力に近い40センチ程飛べるかも知れません。
もちろん、土星でも嵐が吹き荒れているため人が表面近くまで降りる事は不可能でしょう。

超極寒!でも厚い大気を持つ土星の衛星・タイタン

次にご紹介するのが、多くの科学者たちから注目を浴びている土星の衛星・タイタン。
その理由はタイタンが地球に似た大気を持っている事にあります。

「Image Credit:タイタンの大気(Wikipedia)
タイタンの表面重力は1.352m/s²
重力は低いため3.3メートルほどジャンプ出来ますが、タイタンの大気圧は地球の1.5倍ですが、実際は大気の抵抗が大きいためほとんどジャンプする事は出来ないでしょう。
またタイタンは大気だけではなく自然活動も地球に良く似ていると考えられており、動画でもあるように氷の火山が噴火したり、雨が降り、河が流れ、湖もありますが、但しこれは地球のような水ではなく、マイナス200度近い低温でも凍らないメタンやエタン等の炭化水素で構成されているモノと思われます。

氷とガスで出来た惑星・天王星

太陽系7番目の惑星・天王星は、地球から約30億キロ離れているガスや氷で出来た惑星で、表面温度はマイナス300度以下にもなる超超極寒の世界です。
この天王星は地球の約4倍ほどの大きさがあり、表面重力は8.87m/s²。ここでジャンプすると60センチほど飛べるかも知れません。
また、薄い環を持つ天王星の最大の特徴は地軸が98度も大きく傾いている事で、ほぼ横倒しって言ってよいほど傾いています。

「Image Credit:Wikipedia」
何故、これほどまでに傾いてしまったか?は未だ謎ですが、おそらくは巨大な天体が天王星に衝突した事で傾いてしまったのでは?と考えられています。

太陽系で最も遠い惑星・海王星

海王星も天王星と同じく氷とガスで出来た超極寒の惑星で、天王星もそうですが人類はこれまで1度だけしか海王星を訪れていません。
それはボイジャー2号での探査で1989年。かなり前の事です。

「Image Credit:Wikipedia」
天王星より少し小さい海王星の表面重力は11.15m/s²ですが、重力は天王星より大きく40センチほどしか飛べないでしょう。
現時点で太陽系で最も外側を公転する海王星の公転周期(1年)は約165年と、距離にして地球から約45億キロも離れています。
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逆行軌道を持つ衛星・トリトン

この動画では海王星の衛星・トリトンも紹介しています。

「Image Credit:Wikipedia」
トリトンの表面重力は0.779m/s²。かなり重力が小さいため5.8メートルほどジャンプ出来るでしょう。
またトリトンの特徴はその軌道にあり、主星である海王星の自転方向とは逆方向に公転しており、この衛星の地形も独特で、マスクメロン地形と呼ばれる裂け目や尾根がマスクメロンのように見える地形が多く見られ、おそらくではありますが氷で出来た近くが地殻変動で盛り上がって出来たモノではないか?と考えられています。

詳細な探査が行われた準惑星・冥王星

冥王星はその昔、太陽系第9番目の惑星と言われていましたが、近年の探査により、冥王星より大きな準惑星が次々と発見された事から2006年に正式に準惑星に降格しましたが、それでも魅力的な天体のため2016年に探査機が冥王星を訪れ詳細な調査が行われました。
その時撮影されたのが、地球から45億キロ以上も離れた冥王星の詳細画像。

「Image Credit:冥王星(Wikipediaより)」
冥王星の表面重力は0.62m/s²。非常に重力が小さいため7.6メートルのジャンプが出来るとあります。

冥王星が準惑星に降格する原因になった天体?エリス

最後にご紹介するのが2005年に発見された冥王星より大きな準惑星・エリス(直径約2,400キロ)です。
このエリスの発見もひとつの要因となり、翌年の2006年に冥王星が惑星から準惑星に降格になっており、エリスは大きな楕円軌道で太陽を公転し、太陽からの距離は57億キロ~146億キロの範囲で公転していると考えられています。
またエリスには、約14日程で公転する直径約350キロほどの衛星・ディスノミアも見つかっています。

「Image Credit:エリスと衛星・ディスノミアの想像図(Wikipediaより)」
準惑星エリスの表面重力は0.82m/s²。低重力のエリスでは5.5メートルほどジャンプ出来るでしょう。
エリスが発見された当初は太陽系第10番目の惑星として注目されましたが、この天体を惑星として分類してしまうと他に大きさや質量が似通った天体が多くあるため10番目の惑星は幻となってしまい、冥王星も巻き添え?となり、結果として太陽系の惑星は1つ減ってしまうというオチがついてしまう事になってしまいました。
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