世界では謎の小惑星として「1991VG」が以前から注目されています。
この「1991VG」はとても不思議な小惑星で、公転軌道が地球の軌道と似ているばかりか、地球を観察するような軌道で最接近を繰り返しているらしく、天文学者たちはこの不思議な天体の謎を解明するために調べているそうですが、1991年に発見されて以降、未だにその謎が解明されていないとの事。
謎に包まれた小惑星「1991VG」とはいったいどんな天体なのでしょうか。そして今後その謎は解明されるのでしょうか。

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謎の小惑星「1991VG」とは?

小惑星「1991VG」は約10メートルほどの地球近傍天体で、大きさだけでは小惑星と言うにはあまりにも小さな天体です。

「Image Credit:緑色の線でマークされているのが小惑星「1991VG」(Wikipediaより)」
この小さな天体「1991VG」が発見されたのは1991年で、地球に約46万キロという月の外側を通る軌道まで近づいてきたため発見されました。
仮にこの天体が地球に落下したとしても10メートルほどの大きさですので、それほど大きな被害は起きないとは思いますが、人が住む地域に落下した場合は甚大な被害は免れないかも知れません。
では何故、こんな小さな天体が注目されるのか?その理由は、普通の小惑星と比べると明らかにおかしな点が2つあることとの事。
まずは、1991VGの軌道が地球の公転軌道に酷似している事
2つめは、1991VGが天体にしては考えられないほどの高速で自転(回転)している事
この2つの理由で、天文学者たちの頭を悩ませる結果になっているようです。
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地球に近づいたり離れたりする「1991VG」

小惑星「1991VG」は地球の公転軌道と酷似しているため、定期的に地球に接近して来ます。
ただ、発見された当時の約46万キロという至近距離までは接近しましたが、2017年の約850万キロの距離を最後にしばらくはあまり地球には近づかないようです。
小さな天体だけに、地球や月などの大きな天体の重力に影響を受けやすいと考えられ、軌道が地球に酷似しているとは言え、不安定な軌道になっていると考えられます。

小惑星「1991VG」が人口物の可能性

1991VGがあまりにも不思議な天体のため、いくつかの仮説やウワサも流れています。
例えば、冷戦時代にアメリカとソ連が宇宙開発競争をしていたときに打ち上げたロケットの残骸ではないか?との仮説や、また異星人が地球を調べるために飛ばしている監視衛星ではないか?との荒唐無稽なウワサも飛び出しています。
ですが、1991VGが人工物でもおかしくない大きさだということは事実で、これまでに人類が宇宙開発で出した宇宙デブリが、何かの弾みで地球周回軌道を飛び出してしまった可能性も捨てきれないそうです。

本格的に調査される予定の小惑星「1991VG」

謎の天体・1991VGですが、今後探査機を飛ばし調査する予定があるとの事。
それは2018年打ち上げ予定のソーラーセイルという最新の推進方式を採用した地球近傍小惑星探査機「NEA Scout(ニア・スカウト)」。
このニア・スカウトが1991VGに接近し、小惑星のそばを通過しながら表面の画像を撮影する予定になっているそうです。
ニア・スカウトにより1991VGの正体が人類にとっての大発見に繋がるのなら良いのですが、もしその正体が人類が出したロケットの残骸など、単なる宇宙デブリだったら探査にかかる費用が無駄になってしまう可能性もあります。
いずれにせよ、近い将来に謎の小惑星の正体が明らかになることは間違いなさそうです。
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