直径10万光年と言われる銀河系こと天の川銀河の中に、私たちの地球が属している太陽系はあります。
そんな天の川銀河には膨大な数の恒星があるとされており、私たちの太陽も膨大な数の中の恒星のひとつに過ぎません。
でも、その膨大な数というのはいったいどれくらいなのか?正直、想像も出来ないのですが、それを視覚で認識できる天の川銀河の最新画像が公開され大きな話題になっています。
しかもそれは超精密なパノラマ画像として公開されているため、残念ながらこのサイトでは容量が足らず全体像を紹介する事が難しいですが、それでも出来る範囲内で解説出来ればと思っています。
徐々にわかって来た銀河系の全容
私たちが一般的に銀河系と呼んでいるのは、地球からはその一部が星の川(天の川)のように見えるため「天の川銀河」という名前が付けられいます。「Image Credit:iStock」
私たちが住む地球は天の川銀河の中にあるため、その全体像を見る事は出来ませんが、長年に渡る研究で見えないまでも全体像が少しずつわかって来ました。
「Image Credit:Wikipedia」
これまで天の川銀河は、アンドロメダ銀河のような渦巻き銀河ではないか?と思われて来ましたが、研究の結果、上画像↑↑のように天の川銀河は渦巻き銀河ではなく棒渦巻き銀河ではないか?という事が濃厚になって来たとされ、その規模は直径が約10万6,000光年にも及び、星(恒星)の数は2,000億個を超えるのではないかと考えられるようになりました。
また、地球がある太陽系は、天の川銀河の中心から約2万7,000光年の位置にあるとされており、地球から銀河の中心方向を見た時に”天の川”のように見えているのです。
ネットで公開された天の川の高精細パノラマ画像
私たちが夜空を見上げて見る事が出来る天の川は、星空の中にぼんやりと美しく輝いていますが、これを超高解像度の観測装置で捉えるとどうなるのか?という視点のもと、撮影された画像がネット上で公開されました。「Image Credit:NOIRLab」
上画像↑↑は、天の川銀河中心方向の極一部を南米チリ北部にあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)で撮影したモノですが、この公開された画像の中には、何と!33億2,000万もの天体が写っているそうなんです。
ちなみに、撮影に使われた観測装置では、私たちが通常”光”として捉える可視光に加え近赤外光が使われており、近赤外光を使うことで可視光では視界を遮ってしまう塵やガスを透視して見る事が出来るため、10テラ(1テラは1兆バイト)を超える画像データを集める事に成功し、その結果、重なっている星や近接する星を識別できるようにするデータ処理等をして夜空の6.5%をカバーし、今回の超高解像度画像が作成されたそうです。
そんな超高解像度画像ですが、もちろん上画像だけではこの中に33億個もの星が写っているなんてわかりません。
とはいうモノの、この記事の中で10テラにもなる画像を紹介する事も出来ませんので、他のサイトでも紹介されているように少しずつ拡大して行くとその全容が見えて来るようになります。
「Image Credit:NOIRLab」
という事で、上画像↑↑が最初にご紹介した画像の一部を切り抜き、下画像↓↓が拡大したモノです。
「Image Credit:NOIRLab」
おわかりのように、上画像↑↑は今回公開された超高解像度画像のほんの一部分に過ぎませんが、それでもこの画像の中には無数の星が写っている事がわかるかと思います。この小さな光点の一つ一つが太陽のような恒星であり、おそらくはこれらの恒星の多くは惑星も従えている事が予想されますし、もしかしたらその惑星の中には生命が存在し、人類のような知的生命体もいるかも知れません。
銀河系の真の姿はとてつもない大きさだった!
今回ご紹介した画像は天の川銀河のほんの一部でしたが、それでも約33億個もの星が写っていました。そんな天の川銀河も全体の星の数は2,000億個を超えると考えられていますが、それは私たちが銀河として認識するディスク状の構造部分(約10万光年)に限られての事です。
「Image Credit:iStock」
しかし、本当の銀河はディスクの端から遥か外側に広がっており、銀河全体を球状に覆っています。
その球状に広がる領域は「く銀河ハロー」と呼ばれており、ディスク構造部分からハロー領域まで(直径約52万光年)が本来の銀河だと言えます。
「Image Credit:天の川銀河の全体構造(すばる望遠鏡H.P.より)」
なお、銀河ハローの領域は星の密度は低いですが、ところどころに球状星団や矮小銀河が点在しており、これらを含めると銀河全体の星の数は3,000億個以上あると考えてもよいのかも知れません。