天文にほとんど興味や知識の無い人に「宇宙」について聞いてみると、多くの人たちから飛び出す質問に「宇宙人って本当いるの?」といった声があります。
そもそも宇宙について詳しい天文学者たち知識人にとって、宇宙=宇宙人って考える事自体が稚拙でナンセンスだと思うかも知れませんが、ここではあえて、専門家たちが考える「宇宙人」について、どう考えているのかに触れてみたいと思います。
あなたは、この広い宇宙のどこかに宇宙人は「いる」と思いますか?それとも「いない」と思いますか?
人類は宇宙で孤独な存在なのか?
私たち人類は未だ地球外に住む知的生命体に出会った事はおろか、その痕跡すら確認出来た事はありません。こういった事実から多くの人は「宇宙人なんかいない!」と答えるでしょう。
すなわちそれは、私たち人類は宇宙で孤独な存在であると言う事を示しており、今における現実からすれば私たち以外に知的生命等居ない事を認めざるを得ないでしょう。
「Image Credit:iStock」
ですが忘れてはならないのは「宇宙は果てしなく広い!」という事。それは私たちの地球がある太陽系が広いという事ではなく、その先にとてつもなく広い世界が広がっているという現実です。
例えば、太陽系の外に広がる宇宙を除いてみると、太陽系がある銀河(天の川銀河)の中には2,000億個を超える星(太陽のような恒星)が存在し、その多くは地球や木星のような惑星系を形成していると考えれば、少なく見積もっても天の川銀河内だけで1兆個を超える星々が存在すると考えていいでしょう。
さらには、観測出来る範囲内だけでも宇宙には、大小の規模はあれど銀河は約2~3兆個あり、それぞれの銀河には平均で約1,000億個の恒星があると考えられています。
「Image Credit:全宇宙地図(Wikipediaより)」
このような途方もない数の星があるとされる宇宙において、私たち人類以外に知的生命体はいないと簡単に断言する事は、どこか不自然に思えてしまいます。
宇宙人は必ずどこかにいるに違いない!
宇宙に膨大な数があると考えられる星。そのような事から20世紀の物理学者エンリコ・フェルミ氏は「地球のような惑星が恒星系の中で典型的に形成されるならば、宇宙人は宇宙に広く存在しており、そのうちの数種は地球に到達しているべきだ」と考察しています。そのような考察から理論付けられたのが「フェルミのパラドックス」です。
フェルミのパラドックスによると、宇宙には地球のように生命を宿す星はたくさんあるとし、その中には人類のような高度な文明が発達した知的生命体もいて、さらには地球を訪問できるほどの技術レベルに達しているいわゆる宇宙人がいる可能性があるとしています。
実際、過去(古代~中世まで)には、地球に宇宙人がやって来ている?と思われるような遺跡もいくつか残されています。
「Image Credit:左からパレンケの石棺(マヤ文明)デンデラ神殿の壁画(エジプト文明)遮光器土偶(縄文時代)(Wikipediaより)」
これら古代遺跡において実際に宇宙人が地球に飛来していたのか?については不明ですが、フェルミのパラドックスにおいての考察の材料になるのかも知れません。
このように、フェルミのパラドックスに限らず多くの天文学者等の専門家は、宇宙のどこかには必ず人類以外の知的生命体はいるハズ!と考えていますし、これだけ広い宇宙で知的生命体(宇宙人)は人類だけだという考え方自体が不自然な考え方だと多くの知識人たちは断言しているのです。
宇宙人は必ずどこかにいるハズなのに何故出会えない?
専門家までもが「宇宙人はいる!」と考えているのに何故、私たちは彼らに出会う事が出来ないのか?実はその理由は至極簡単な事で、それは宇宙があまりにも広過ぎるからに他ならないからです。
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宇宙で最速を誇る”光”。その速さは秒速約30万キロで1秒間で地球を7周半もするほど超高速です。そんな光をもってしても太陽系を離脱するのに1年近くもかかり、太陽系の隣りの恒星系(アルファ・ケンタウリ)に行くにも4年以上もかかってしまいます。
また、現在の物理学の考え方においても光速以上の速度を持つものはなく、人類を含めた高度な文明を持つ知的生命体が仮に高速に近い速度を出せる宇宙船を持っていたとしても、生命の寿命の範囲内で星と星の間を行き来するのは不可能に近いと言えるでしょう。
さらに、今の人類が持つ物理的な常識を覆す超高度な文明が宇宙のどこかにあったとしても、広過ぎる宇宙空間を移動する事は危険でリスクも大きい事が考えられます。つまり、SF映画やアニメ等で出て来る超高速恒星間航行は非現実的であると言えます。
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他にも、生命に溢れる地球が誕生した経緯も非常に重要で、地球は奇跡的偶然がいくつも重なり誕生しており、いかに広い宇宙でもこのような奇跡が起こって生まれた星は稀である事も考えれば、宇宙人がどこかに居たとしてもそう数は多くない事が考えられるでしょう。