宇宙・天文について学んでいると、必ずと言って良いほど耳にするのが「黄道(こうどう)」という言葉。
黄道とは、一言で言うと天球上の”太陽の通り道”の事を指すのですが、少し詳しく調べてみると奥が深く占星術にも関係していたりします。
今回は、この黄道とは何か?について少し掘り下げてみたいと思います。

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黄道とは何?地球の軌道面と太陽の動きが重ならない

ネットで「黄道」って検索すると、太陽が通る天球上の平均的な軌道の事といった解説があるかと思います。すなわち黄道とは、地球が太陽の周りを公転する時の軌道をなぞるとそれが太陽の通り道となるワケで、また黄道の軌道は一年を通してみると少しずつズレが生じていますが、それを平均した軌道面が黄道面と呼ばれています。

「Image Credit:スタディスタイル・自然学習館
つまり、冬は太陽は低く昇り、夏は高く昇り、春と秋はその中間の軌道で太陽が昇って沈んで行き、それが季節によって異なる黄道軌道になっているのです。

「Image Credit:Vito Technology, Inc.
では何故、黄道は季節によって異なるのか?といった疑問について、おそらくは小学校か中学校の理科の時間に習うかと思いますが、でも意外と知らない人が多いかも知れません。実はその理由は、地球の地軸の傾きが関係しているのです。

黄道とは地球の地軸傾きで天球上での太陽の通り道が決まる

春夏秋冬の1年を通して太陽の通り道が変わる黄道。その理由となっているのが地球の地軸の傾き(自転軸)です。

「Image Credit:Wikipedia」
地軸は、地球の公転面(軌道)に対し約23.4度と傾斜角度がついており、それにより地球が太陽を公転する際に、太陽光が照たる角度が変化しこの運動の差を歳差と呼び、日中の太陽高度と日射時間も季節によって変化が生じています。

「Image Credit:中学受験ナビ
地球の公転の影響で地軸の傾きが都度変化し黄道の位置が変わり、これにより地球には季節の変化も生まれる事になるのです。
つまり黄道は、地球が太陽の周りを公転するときの平均の軌道面を黄道面と呼び、地球を含む太陽系全ての惑星は黄道面にほぼ沿った平面上を公転しています。

ちなみに、地球の黄道面を基準とした場合、他の太陽系惑星の黄道傾斜角は、水星が7度、金星3.2度、火星1.8度、木星1.3度、土星2.5度、天王星0.8度、海王星1.8度と、ほぼフラットな状態で太陽を公転している事になります。

「Image Credit:iStock」
この特性を活かせば、夜空で惑星を探索する場合、横道に沿って探せば比較的容易に惑星たちを探し出す事が出来るワケです。

黄道が地球の公転角度と同じだったら?

前記で解説したように、黄道は地球の自転軸に対して垂直ではなく23.4度傾いており、この角度は黄道傾斜角と呼ばれおり、そのおかげで地球には季節の変化が生じています。
では、黄道傾斜角が0度、すなわち地球の自転軸が公転軌道と垂直になった場合はどうなるのでしょうか?
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つまりそれは、地球に季節が無くなる事を意味するワケですが、もしそのような状態だった場合、おそらく地球環境は大きく変わった状態になっていたと思われるのですが、その状態を想定しシュミレーションした動画を見つけましたので参照していただければと思います。

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占いでおなじみの十二星座と黄道との関係

誕生日の星座占いで使われる星座は、人が生まれた月毎に12個に分かれているのは誰もが知っていると思います。

「Image Credit:Weathernews」
でも、星座は全部で88個あるのに何故、その中からこれらの12個が選ばれたのでしょうか?
その理由は、上画像↑↑にも表記してあるように12個の星座たちは「黄道12星座」と呼ばれていますので、星占いに詳しい人は既にご存知だとは思いますが、これらの星座は全て見た目的には円錐状をした黄道面の中に位置しており、実際に、星空を見上げてこれらの星座を探す場合も、黄道に沿って探せば見つける事が出来ます。

「Image Credit:JavaLab」
しかし、実際の黄道12星座は12個ではなく13個あるのですが、占星術に使われているのは12個で「へびつかい座」は黄道12星座には含まれていません。

それはいったい何故のか?その原因となっているのは、元々、占星術の概念を創り出した古代バビロニアにあり、バビロニアの人々は横道の事をゾディアックと呼び、彼らは1カ月を30日としたうえで、30日毎の12回にした1年を黄道十二宮(ゾディアック・サイン)とし、星座をそれぞれ12個内に当てはめたとしており、もちろん彼らは「へびつかい座」が黄道面に含まれる星座である事は知っていたのですが、1年を12等分した場合、どうしても星座が1個合わなくなってしまう事から、便宜上「へびつかい座」のみを除外した経緯から、現在までその名残が続いているとの事です。
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