遠い将来、人類が何らかの理由で地球に住むことが難しくなった場合、住み慣れた故郷・地球を脱出して「第二の地球」へと移住しなければならない時代がやって来るかも知れません。
そうなった場合「第二の地球」はどこになるのでしょうか?

その「第二の地球」候補として、近年人類は目覚ましい進歩をした観測技術を使って地球に似た惑星探しをしており、それが実を結び太陽系外惑星が次々に発見されています。
そして新に見つかった「第二の地球有力候補」。その惑星は地球からはだいぶ遠いようですが、これがかなり期待できる天体だそうです。

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赤色矮星「K2-18」に発見された地球型惑星の存在

地球から見ると「しし座」方向へ約111光年離れた位置にある赤色矮星「K2-18」。
赤色矮星とは、私たちの太陽とは違い小型で質量も小さく低温。そのため肉眼での観測は難しい暗くて赤い恒星です。

「Image Credit:太陽と赤色矮星の比較(Wikipediaより)」
そんな小さく暗い太陽の周りにはいくつか惑星の存在が確認されており、これまで詳細は情報を得るための研究が行われて来ました。
そこで判明して来た赤色矮星「K2-18」に属する惑星の情報。
それは、生命存在を予感させる、かなりの期待が持てるモノでした。

スーパーアース「K2-18b」

惑星「K2-18b」。
この惑星は2015年に発見されており、どのような天体なのか?については研究が進められて来ました。

「Image Credit:K2-18bの想像図(Wikipediaより)」
惑星「K2-18b」の研究自体はまだ途中で詳細な分析までは進んではいないようですが、それでもおおまかなデータ分析は出来ており、今回(2017年)「K2-18b」についていくつかの情報が開示されています。
『開示された惑星「K2-18b」の情報』
  • 地球よりも大きい岩石惑星・スーパーアース
    地球のように、表面を岩石で覆われた「K2-18b」。さらに、惑星の質量は地球の数倍あると考えられ、いわゆるスーパーアースに属する可能性。
  • 大気を纏い水もしくは氷に覆われた惑星
    おそらくは大気で覆われており、生命誕生に不可欠な水が発見される可能性。
  • ハビタブルゾーン内に存在惑星
    「K2-18b」は、水が液体で存在することが出来るハビタブルゾーンの領域内にある事が判明。
この3つの条件が揃えばかなり期待値も上がり、生命を支えられる惑星の可能性が高いと考えられています。

もう一つの地球型惑星「K2-18c」

惑星「K2-18c」は「K2-18b」の研究途中で新たに発見された惑星で、こちらもまた地球と似た岩石惑星で大気を持つ惑星である可能性がありますが、残念ながらハビタブルゾーンから外れていることが判明。恒星に近い距離を公転しているため水や生命の期待度は低いとされます。

「Image Credit:K2-18bから見たK2-18cと赤色矮星K2-18のイメージ図(University of Montrealより)」

地球外生命体がいる可能性は?

地球型の惑星で大気や水が存在するとなれば、俄然期待が大きくなる地球外生命体がいる可能性があり、ですが研究途中なため惑星「K2-18b」に生命がいるか?どうかは不明で、今後の詳細な研究が待たれるところですが、もしこの惑星が環境も地球と似ているのであれば十分に生命存在の期待は出来るとの事です。
ただ、100光年以上も離れた場所にある惑星ですのでそれを調べる事は非常に難しい作業になるようです。
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しかし、そんな難しい調査を進展させてくれる可能性があるのが2021年に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の存在に期待が寄せられています。

「Image Credit:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(NASAより」

第二の地球が見つかっても移住は出来ない?!

もし惑星「K2-18b」の他、地球に環境が似た星が見つかったとした場合「第二の地球」として人類が移住出来るのでしょうか?
正直、SF映画のように人が住める惑星が見つかれば良いのですが、現実問題としてそれはほとんど不可能に近いようです。

現実にそれが難しい要因はいくつもあり、まずは
  • そこまで移動する手段が無い。(物理的に無理)言葉では星までの距離を数光年、数十光年と簡単に表現できますが、実際の距離はとてつもなく遠く仮に超高速で移動できる宇宙船があったとしても、命に限りのある人類が宇宙を旅してそこまで到達するにはあまりにも時間がかかりすぎます。但し、SF映画で出て来るようなワープ航法や人工冬眠の技術が現実のモノになれば別かも知れません。
  • 原住生命体の脅威。人類が住める星であれば、当然ながらそこには原住生物がいるハズです。そこに住む生物がどれだけ危険な存在かは未知数で、何よりその惑星にいるであろう細菌への抗体を持たない人類が地球で生活するように住むことなんてできないでしょう
  • 人類には環境が合わない。これまで見つかっている地球型惑星のほとんどが赤色矮星に属する惑星です。つまり、私たちの太陽とは違う太陽の下で暮らすことになります。
    おそらく、赤色矮星の光は赤外線が主体の弱い光。地球の昼間のように日光は輝かないでしょうし、また、その星が地球と同じ重力とは限りません。重力が合わない星で生活すると人体に異変が起こるとされています。

「Image Credit:pixabay」
といった具合に、いくら地球と似た惑星が見つかったとしても、そこで生活することはおろか物理的にそこに行くことすらできません。
ですが、移住は無理でもその惑星に知的生命体のエイリアンが居たとしたら遠距離でのコンタクトは可能かも知れません。
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