人類が初めて有人宇宙飛行を行ってから半世紀以上経過した現在(2021年現在)。これまで単独で有人宇宙飛行に成功したのは、アメリカ、ロシア(旧ソ連)、中国の3カ国のみです。
日本もこれまで、単独で数々の人工衛星や無人探査機の打ち上げには成功していますが、未だ単独での有人宇宙飛行は行っていません。
今後、宇宙事業が民間も参入して本格化すると言われている時代に、日本が単独で有人宇宙ロケットを打ち上げる計画はあるのでしょうか?

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世界のこれまでの有人宇宙飛行

人類初の有人宇宙飛行を行ったのは旧ソビエト連邦。
ユーリ・ガガーリンが1961年にボストーク1号に乗って、地球軌道を1周周回したのが最初です。

「Image Credit:カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられるボストーク1号(AFP=時事)」

◆参考動画:ガガーリン人類初の宇宙へ(1961年)

「Copyright ©:1103miya8ra All rights reserved.」
その後、アメリカが巻き返し、初の有人宇宙飛行から10年も経たずして、1969年には有人月面着陸まで成功させています。

「Image Credit:Wikipedia」

◆参考動画:アポロ11号 人類初の月面着陸(1969年)

「Copyright ©:NASA2007 All rights reserved.」
1960年代から1970年代は、ほぼアメリカと旧ソ連の競争で宇宙開発が独占され、アメリカはマーキュリー計画、ジェミニ計画、そして月面着陸を成功させたアポロ計画と有人宇宙飛行の歴史を綴っています。
一方の旧ソ連は、人類初の有人宇宙飛行は成功させたものの、その後はアメリカに一歩遅れをとった中で宇宙開発を実施し、ボストーク計画、ボスホート計画、ソユーズ計画と続いて行きます。
1980年代に入ってからは、まさに宇宙はアメリカの独壇場と言っても良いほどで、その象徴として、世界中の誰もが知っているといっていいほど有名な、スペースシャトル計画があります。
また、あまり知られていないのが中国の有人宇宙飛行です。
中国が初めて有人宇宙飛行に成功したのは、アメリカ・ソ連の有人宇宙飛行から遅れること約半世紀後、2003年に神舟5号の打ち上げ、単独で有人宇宙飛行を成し遂げた3番目の国となっています。

◆参考動画:神舟5号(2003年)

「Copyright ©:sasalove2a3 All rights reserved.」
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日本の宇宙開発の歴史

日本は現時点(2021年)において、まだ単独での有人宇宙飛行は行っていませんが、宇宙開発自体は歴史が古く1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功して以来、様々な宇宙開発を行っており単独開発した高性能な「H-II」主力ロケットは成功率も高く、世界的にも高い評価を受けています。

「Image Credit:JAXA(HⅡAロケット)
また、最近では奇跡的成功を成し遂げた、小惑星探査機「はやぶさ」が、人類史上初めて、小惑星から採取したサンプルを地球に持ち帰ったことが話題となりました。
◆参考動画:【小惑星探査機「はやぶさ」帰還】

これまで宇宙に行った日本人の数

アメリカや旧ソ連(ロシア)の力を借りて、多くの日本人も宇宙に行っています。
日本人で初めて宇宙に行ったのは意外にも民間人で、1990年、当時テレビ局社員(TBS)だった秋山豊寛氏が、旧ソ連のソユーズロケットで宇宙に行き、宇宙ステーションミールに6日間滞在しています。

「Image Credit:左端が秋山豊寛氏(ウェザーニューズより)」
その後、1992年の毛利衛氏を筆頭にスペースシャトルで7名宇宙へ行き、スペースシャトルの退役後にロシアのソユーズで4名が宇宙に旅立っています。
これまでに合計12名(内、女性2名)の日本人が、地球低軌道の宇宙に滞在しています。
●参考サイト:【JAXAの宇宙飛行士】

日本の単独での有人宇宙飛行の計画は?

宇宙開発において、日本は経験や実績も多く、人類宇宙史に多大な影響を与えています。
しかし、残念ながら未だ単独での宇宙飛行は実現していません。
宇宙開発に対する技術ノウハウを持っているハズの日本は、今後、有人での宇宙飛行を行う計画はあるのでしょうか?
調べたところ、その計画は実際に存在し、2025年の運用を目標に、現在、日本人宇宙飛行士が乗る打ち上げロケットや宇宙船の研究開発を行っているとの事。

日本単独の有人宇宙飛行計画実現への長い道のり

日本が今後、有人宇宙飛行の計画があるとしても、実現に向けては問題点も多く道のりは長いようです。
まずは、無人では信頼性の高い打ち上げロケットも、人間を乗せるとなれば、人命を守るためにさらに高い安全性と技術が必要で、絶対に失敗は出来ません。
そのためには、無人ロケットとは違った、さらに高い技術の壁があるとの事。
また、日本単独での有人宇宙飛行となれば、宇宙飛行士自体も高い能力が必要になり、知識や技術を持った人物を育成することも大きな課題です。
そして一番の高い壁は開発、運用の予算。
莫大な費用のかかる有人宇宙飛行には、国民の理解を得て予算を獲得する必要があり、現時点で経済的にも余裕の無い日本で、有人宇宙飛行に対しどのように世論を納得させるかが最大の課題であるとの事。
このような背景に、現実的には乗り越えないといけない高いハードルが多く、果たして2025年までに、日本初の有人宇宙飛行を実現させることが出来るのでしょうか。
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