今年(2020年)は閏年(うるう年)です。つまり、1年が365日ではなく1日多い366日である事で4年に1回2月29日がやって来る年です。
でも何故、「うるう年」をこの天文系のサイトで取り上げるのか?と言うと、それは地球が太陽を1周する公転周期に大きく関係し惑星科学の意味で解説出来るからであり、完全なる365日で地球が太陽を一周するワケではないから「うるう年」が必要になって来るのです。

Sponsored Link

「閏年」と天文との関係

「1年は何日?」と聞いて、ほぼ間違いなく返ってくる答えは「365日」ではないでしょうか?!
つまり、地球に住む私たちにとって1年というのは、地球が太陽の周りを1周する日数が365日に当たるワケです。

「Image Credit:岐阜大学 教育学部理科教育講座 地学教室」
ただ、1年が365日というのは正解ではありますが厳密にいうと不正解とも言え、実は地球は正確に365日で太陽を一周しているのではなく、実際は365.242日かけて太陽を1周しているのです。
つまり、この0.242日分の誤差を調整するために、4年1回訪れる1日多い366日の「うるう年」があるのです。

しかし、この事で疑問に感じる事があるのではないでしょうか?
それは、「うるう年」で4年に1日の日数調整をするのであれば、地球の公転で生じる誤差は0.25日ではいけないハズなのですが、実際の誤差は0.242日で少し足りず、また、地球の自転速度も完全な24時間ではなく微妙な誤差が生じています。
その誤差を補うために行われるのが「うるう秒」と呼ばれる不定期で行われる時刻の調整で、基本的には半年単位の6月末か12月末に適宜導入されています。

「Image Credit:実際には存在しない時間を追加する「うるう秒」(Wikipediaより)」
この「うるう年」と「うるう秒」により調整される日数と時間の誤差調整で、私たちは正確な年数と時間を知る事が出来、日々快適に暮らせる事が出来ているのです。
Sponsored Link

「閏年」で調整をしなかったらどうなる?

もし、「うるう年」が無かったらどうなるのでしょうか?
普通に考えれば、少しずつ時間がズレて行き季節も滅茶苦茶になって行くと考えられます。
そんな「うるう年」について詳しく解説している動画があり、「うるう年」での調整を行わなかった場合、400年後には北半球と南半球の季節が完全に逆転してしまうそうです。
この動画は英語解説のアニメーションですが、英語がわからなくてもわかりやすく解説してくれています。

「Copyright ©:Interplanetary All rights reserved.」

知っておこう地球は完ぺきな天体ではない事を!

私たちは1日を24時間、1年を365日だと信じ、地球もまたそのとおりに動いていると思い込んでいますがそれは大きな間違いであり、地球もまた不規則に変化する自然であって、私たちが思っているようには動いていません。
つまり、前述したように本当の1年は365.242日であって、地球が自転する1日の長さも24時間ではなく23時間56分4秒が現時点でのほぼ正確な時間と言え、さらに、地球と太陽は常に同じ距離を保っていると思っている人も多いと思いますが、ほぼ真円に近い公転軌道を持っているとは言え1年を通した時の太陽との距離は微妙な誤差があります。
ちなみに、地球が太陽に最も近づいた時の距離・近日点は1,4710,000キロ(0.9833AU)で、最も太陽との距離が離れた遠日点は1,5210,000キロ(1.0167AU)あり、距離的な誤差はさほどないため地球に住む生物にとってはそれほど影響は出てはいません。

また、地球の地軸の傾きは23.45度あり、この傾きにより四季が造られていますが、これは衛星である月の引力でほぼ固定はされているモノの完全ではなく微妙にブレも生じています。
このような1日や1年、地軸の傾き等の誤差についても、いつまでも同じというワケではなく、天文学的な時間とはなりますが時間の経過とともに少しずつ変わって来ています。
ちなみに、14億年前の地球では1日の長さが18時間41分だったとされており、それから1日の長さが1年当たり7万5000分の1秒ずつ長くなっており現在に至るワケで、今後も少しずつ地球の自転速度は長くなって行き同時に1日の長さも長くなって行きます。

閏年でわかる奇跡の星・地球の素晴らしさ!

地球の公転や自転に誤差があるとしてもほんのわずかしかなく、この背景には地球が太陽の周りを回る軌道が約365日がある事であり、これは太陽と地球の距離間が絶妙であるとも言えます。

太陽と地球の距離は多少誤差があるモノの約1億5,000万キロですが、この距離は水が液体の状態を維持出来るのに丁度良い太陽系のハビタブルゾーンの範囲内にあり、さらに地球が太陽から受ける潮汐力がそれほど大きくないという距離間も地球に生命が溢れている大きな要因になっています。

「Image Credit:Wikipedia」
ですが、もし地球が太陽の潮汐力を大きく受けてしまうとどうなるのでしょうか?
それは地球が潮汐ロック状態になってしまうという、生命維持にとって危険な事になってしまう可能性があります。

では、潮汐ロックは何なのでしょうか?
わかりやすく言えば、地球と月の関係こそが潮汐ロックの状態であり、月は地球に対し常に同じ方向を向けているのはご存じかと思いますが、これは地球の強い潮汐力で月の重心が地球側に少しズレた事で起きている現象なのです。

「Image Credit:Wikipedia」
この潮汐ロックが地球に起こってしまった場合は、地球も同じ面を常に向けてしまう事になってしまい生命が住めない惑星なってしまう可能性もあったのです。
つまり、1年が約365日という時間は、生命で溢れる地球を創り出しているという事にもなるのです。

同時にこれは非常に奇跡的な事とも言え、人類は未だ地球と同じような条件を持った惑星を探し出す事は出来ておらず、今後もその発見はとても厳しい事が予想されます。
Sponsored Link