メディアでも大きく取り上げられ話題となった惑星プロキシマb前回の記事でこの惑星には生命存在の可能性があるとお伝えしました。
しかし今回の記事では、真逆の事をお伝えする事になってしまいそうです。
それは、惑星プロキシマbがいくら地球型惑星といっても、必ずしもそこに生命が存在するとは限らないという事です。

ですが、何故そう言えるのでしょうか?
ここでは惑星プロキシマbの環境を考察した事で、期待度が変わってしまった事について述べてみたいと思います。

惑星プロキシマbとは?(前回のおさらい)

惑星プロキシマbは、私たちの太陽系から最も近い恒星系「アルファ・ケンタウリ」三連星の1つである、プロキシマ・ケンタウリ(赤色矮星)を主星に持つ惑星です。

主星のプロキシマ・ケンタウリは地球からの距離が約4.2光年ですが、天文単位でのスケールからいうと目と鼻の先にあるお隣りと言っても良い恒星です。
しかし、プロキシマ・ケンタウリは太陽系の隣りにあるにも関わらず、質量が太陽の8分の1ほどしかない非常に暗い天体のため肉眼で確認する事はほぼ不可能です。

「Image Credit:ハッブル宇宙望遠鏡で見たプロキシマ・ケンタウリ(Wikipedia)」
この惑星プロキシマbを発見した科学者たちによると、プロキシマbは地球の約1.3倍の大きさで地球とあまり変わらないサイズの岩石惑星だという事です。
そしてさらにこの惑星は恒星と惑星の距離において、生命生存が可能な距離関係にあるハビタブル・ゾーンに位置しており、惑星の地表は暑過ぎもなく寒過ぎもない温暖な気候が予想出来、惑星に水があれば液体の状態で存在する可能性があると推測されています。


「Copyright ©: VideoFromSpace All rights reserved.」
液体の水がある惑星~つまりそれは、地球以外で生命が存在する可能性もある天体だという事を意味し、その天体こそが惑星プロキシマbなのです。

惑星プロキシマbに生命が存在する可能性が低いという見解も?!

もしかしたら、将来人類が行けるかも知れないという近い距離に見つかった惑星プロキシマbですが、仮にそこに生命がいれば第二の地球として今後人類の移住先になり得るかも知れません。

「Image Credit:iStock」
しかし、惑星プロキシマbが地球とよく似た環境と言う一方で、やはり生命が生存出来るには厳しい過酷な環境なのでは?という考えもあります。
その理由は、惑星プロキシマbの主星(太陽)であるプロキシマ・ケンタウリとの位置関係にあります。
プロキシマ・ケンタウリは私たちの太陽の12%程度しか質量がない小さく暗い恒星で、太陽の表面温度が約6,0000度なのに対しプロキシマ・ケンタウリは3,000度にも満たない表面温度だと考えられています。
ただ、最初に述べたように惑星プロキシマbはハビタブルゾーンに位置する天体ですが、恒星の表面温度が低い分恒星と惑星の距離が近い位置がハビタブルゾーンになっています。

「Image Credit:プロキシマ・ケンタウリの惑星ケンタウリbの軌道と太陽系(水星軌道)の比較(Wikipediaより)」
上図をご参考にいただくと、プロキシマ・ケンタウリのハビタブル・ゾーンは太陽系では水星の軌道より遥か内側にあり、主星(太陽)のプロキシマ・ケンタウリと惑星プロキシマbの距離は700万キロほどしか離れていません。太陽と地球との距離が約1億5,000万キロだということを考えると、その距離がいかに近いか?おわかりになるかと思います。
つまり、この700万キロという距離の位置関係だけでハビタブルゾーンがあると言っても、そこに生命が存在し得るのか?というと、かなり厳しくなるのでは?という考えがあるのです。
Sponsored Link

また恒星と惑星の距離が近い場合、X線など恒星からの有害な放射線量も大きいという事も考えられます。

「Image Credit:NASA」
さらに距離が近いが故に潮汐力の影響も大きく、惑星プロキシマbは自転と公転が同一周期(潮汐ロック)になっている可能性が高い事も理由の1つです。
この潮汐ロックは、惑星が常に同じ面を太陽向けているという状況になり、太陽に向けている面は永遠に昼の状態で、その反対側は永遠に夜になってしまい、生命生存には致命的な環境である事が想定できるのです。

「Image Credit:iStock」
そしてもっと悪いことに、恒星のプロキシマ・ケンタウリからは表面爆発(太陽フレア)も観測されており、わずか700万キロの距離にある惑星プロキシマbは、まともにフレアの影響を受けている可能性もあります。

「Image Credit:国立天文台」
このような悪い状況がひとつでも該当した場合、プロキシマbに生命が存在する可能性は極めて低いということになるのですが、実際はどうなのか?今後の詳しい調査結果が待たれるところです。