2016年に公開されたリドリー・スコット監督の話題作、SF映画「オデッセイ」を観た事あるでしょうか。

この映画では、火星での自給自足サバイバル生活が描かれています。

本作品は単純に空想活劇のSF映画ではなく、科学的根拠に基づいて制作されていることでも注目され大ヒットしました。

今後行われるであろう有人火星探査についても、非常に興味深い作品ですので、映画の内容を基に現実とどうリンクしているのか?についていくつか調べてみました。




映画「オデッセイ」のあらすじ

この映画の舞台は近未来で、人類が火星に進出し有人探査を行うようになった時代の話です。

火星の地表で探査ミッション中の宇宙飛行士たちが、突然嵐に襲われクルーの一人(主人公)が突風で飛ばされ行方不明になってしまいます。

突風に飛ばされた主人公は何とか無事だったモノの、気がついたときにはすでに手遅れで、他のクルーたちは、彼(主人公)は●んでしまったと思い込んで地球に帰還してしまい、彼1人が火星に取り残されてしまいます。

人間が生きて行くには何も無い不毛の地火星で、たった1人でサバイバル生活を送ることになった主人公の運命を描いた物語。

それがおおまかな映画「オデッセイ」のあらすじです。

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なおこの映画は、アンディ・ウィアー氏の小説「火星の人」が原作となっています。


映画「オデッセイ」の背景:今後予定される現実の有人火星探査計画

「オデッセイ」はSF映画ですが、ある意味で、今後の人類の宇宙探査の未来を描いた、現実に起こり得る可能性があるリアリティ映画でもあります。

そのリアリティとは、アメリカは2030年代の有人火星探査に向け計画を遂行中で、火星と地球を往復する宇宙船を開発しており、さらに火星に仮設の基地も建設する計画も立てています。

映画「オデッセイ」もまた、この計画をベースに制作されており、映画では既に3度人類を火星に送り込んでいる設定で、作中では仮設の火星基地(人工居住施設)も造られています。

火星での自然現象:猛烈な砂嵐

映画「オデッセイ」で、宇宙飛行士たちが襲われる猛烈な砂嵐。

実際に火星では砂嵐が起きる事は確認されていますが、そもそも気圧は地球の100分の1程度しかありません。

にも関わらず、映画では猛烈な砂嵐が吹き荒れ、主人公の宇宙飛行士が突風に飛ばされてしまう。という事なんてあり得るのでしょうか?

以前は大気の薄い火星では、砂嵐のような気象現象はほとんど起きないものとされていましたが、最近の探査により台風並みの強風が発生することもあり、その嵐の現象は地球からの観測でも確認出来るとの事です。

そのため映画「オデッセイ」ではその自然現象を描いており、もし台風並みの嵐が直撃したら、地球の3分の1程度の重力しかない火星では、人間が飛ばされてもおかしくないようです。

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火星でサバイバル生活が出来るのか?

1人、火星に取り残された主人公は、地球から救出が来るまでの4年間。

水も食糧も酸素もない土地で生き抜かないと行けません。

映画では3回の火星ミッションで人工居住施設に多少の設備が残っていたものの、不毛の地・火星で水も食糧も空気も自分で作らないといけない極限の状況の中で、果たして生きるために最低限必要なモノを自力で造ることが出来るのか?というのが焦点になっています。

この映画ではアメリカ航空宇宙局NASAの協力があったということですが、それでも何も無い状況から水や空気、そして食糧を確保するために家庭菜園まで造る姿が描かれていますが、こんなことが可能なのか?これにはリアリティ感が無いと批判する人も多かったらしいですが、NASAが協力するだけに根拠もあるようです。その根拠とは現在、地球低軌道上で運用されている国際宇宙ステーションで利用されている技術がいくつか応用されているようです。


「Image Credit:Wikipedia」

酸素発生システム

水を分解して酸素を作り出す「酸素発生システム」が宇宙空間でのISS長期滞在を可能としているとの事。

映画「オデッセイ」でもこのシステムの発展版が使用されていて、何とか酸素不足は免れていたようです。

水再生システム

水再生システムも実際にISSで使われているもので、人間のカラダから出る水蒸気や汗、尿までもリサイクルして再び飲める水に変えています。

映画では、これがNASAが新しく開発した水再生システムとして登場しています。

食糧の確保

宇宙での植物栽培の研究もISSで行われています。

また映画の主人公は植物学者でもあるため、食糧を自給自足する技術を持っていた。
としても、まったく植物が生育出来る環境でない火星で、生きていけるだけの食糧を自給自足出来るかどうかは、いくらISSで研究が進んでいるとしても疑問が残るところではあります。

人類は火星で生活出来るのか?

この映画はNASAの全面協力があって制作されたとのことですので、現実離れしたSF映画ではなく、実際にこのような状況になったらどうなる?と想定されたもとで作られていると言います。

これは、今後人類が火星に移住して生活いくための参考となるものでもあり、人類が生活していく環境がまったく整っていない世界で生きていくことの難しさ、厳しさに警鐘を鳴らしているものとも思われます。

参考記事:【人類火星移住計画マーズワン実現の問題点】

これから本気で火星に進出して行こうとしている人類。
果たしてそこで生きて行けるのでしょうか?