近年、人類の宇宙に対する観測技術や探査は飛躍的に向上していますが、しかし、その観測技術を駆使しても地球外生命体の痕跡すら発見出来ていません。
そうなるとやはり、地球以外に生命は居ないのか?とも思ってしまいます。
でも本当にそうなのでしょうか?
今回は、地球外生命体及び、人類並みかもしくはそれ以上の知能を持った地球外知的生命体は存在するのか?しないのか?について探って行きたいと思います。

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地球以外に生命は居ないのか?

いきなりですが、最初から今回の本題に迫ります。
『宇宙には地球以外に生命はいないのか?』
この疑問の答えについては、『NO!』です。
もちろん、現時点で地球外生命体は発見出来ていないワケですから、ハッキリと地球以外に生命は居ると断言できるハズもないですが答えが「NO」と言えるには根拠があります。

その根拠とは、人類が探索するにはあまりにも宇宙は広過ぎるからです。
例えば、私たちが住む天の川銀河は、2,000億~3,000億個もの星の集合体である事が判明しており私たちの太陽はその3,000億個の星のうちの1つに過ぎず、その事が良くわかるのがこの画像かも知れません。

「Image Credit:European Southen Observatory」
上↑画像は天の川銀河のほんの一部を捉えた画像です。
さらに、画像の赤枠を囲んだ部分を拡大したのが下↓画像です。

「Image Credit:European Southen Observatory」
この画像にある小さな無数の光点の一つ一つが私たちの太陽のような恒星であり、これは天の川銀河全体に広がっており、その総数は2,000億~3,000億個というとても数え切れないほどの星々になるのです。
そしてこれらの恒星の大半が惑星を従えていると想定され、その中から地球型の惑星は少なく見積もっても100億個はあるだろうとされています。
また、これは私たちが居る天の川銀河だけの事であって、隣の銀河であるアンドロメダ銀河に至っては天の川銀河の倍以上の規模があり、宇宙にはそんな銀河が人類が観測可能な範囲内だけでも1,000億個以上あります。

「Image Credit:アンドロメダ銀河(Wikipediaより)」
果たして、こんな想像を絶する広さを持つ宇宙に「地球外生命体は居ない。」と言えるでしょうか?
これだけ宇宙の現実を目の当たりすると、どんなに厳しく見積もったとしても地球外生命体は居ると考えるのが自然な流れではないでしょうか?
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地球外生命体は何故見つからないのか?

宇宙のどこかに地球外生命体はいるハズなのに、どうして見つからないのでしょうか?
その理由はそれほど難しい事ではありません。
理由は、生命探査をするには宇宙があまりにも広過ぎるからに他なりませんし、もし地球外生命体が居るとしてもいくら人類の観測技術が向上したからと言っても、まだまだ技術的に宇宙の広さに対応出来てはいないからです。
つまり、それは地球の近くに地球外生命体は居ないって事も示唆しています。
では、地球の近くとはどこの事を指すのでしょうか?
それは地球の仲間である太陽系の星々の事ですが、完全に居ないと断言しているワケではなく、見つけるのは非常に困難な状況にある事を指します。

「Image Credit:左から火星・エウロパ・エンケラドゥス・タイタン(Wikipediaより)」
近年の向上した観測・探査技術により、火星やエウロパ(木星の衛星)・エンケラドゥス(土星の衛星)・タイタン(土星の衛星)等に生命が居る可能性はある事はわかっていますが、仮に居るとしたら原始的な生命体である可能性も高く存在を確かめるには地下や厚い氷の下を調べる必要があり、それにはもっと高い技術力が必要で莫大な費用もかかってしまいます。
また、太陽系外の探査も飛躍的に進み、生命が居るかも知れない地球型惑星もいくつか見つかってはいます。
(地球型惑星が7つも見つかった赤色矮星トラピスト1)

「Image Credit:NASA
しかしながら、そこは地球から光の速さでも何年~何十年もかかる場所にあり、仮に生命の存在が明らかになったとしても人類が直接調べに行く事はもちろん、無人探査機さえ送り込む事が出来ないほど遠く、どんな生物が居るか?具体的な調査は出来ないでしょう。
とにかく、地球外生命体の存在を確かめるには宇宙は広過ぎて遠過ぎる。これが、見つける事が出来ない最大の要因ではないでしょうか?

地球外知的生命体とコンタクトは取れないのはかなり困難な条件がある

地球外生命体を探すのが困難なのならば、人類と同等、もしくはもっと優れた知能や文明を持つ、いわゆる地球外知的生命体を見つけ出し、直接接触は出来ないにしても電波等を利用してコンタクトは取れないモノなのでしょうか?
これについては、地球外知的生命体探査(SETI)というプロジェクトが進行しており、世界各国で地球外知的生命体を探そうという試みが行われています。

「Image Credit:ESOJosé Francisco Salgado」
しかし、現時点において成果は得られておらず、地球外知的生命体の痕跡すら見つからない状況にあります。
少なくとも人類という知的生命体が居るにも関わらず、宇宙に何故、人類以外の知的生命体が見つからないのでしょうか?
この矛盾については、イタリアの物理学者エンリコ・フェルミが提唱した条件『フェルミのパラドックス』というモノがあります。
フェルミのパラドックスには、地球外知的生命体に関する各種の考察があり少し複雑なのですが、いくつかを抜粋し要約するとこうです。

『フェルミのパラドックス』とは?
  • ① 地球外知的生命体は存在していて、地球に来ているが見つける事が出来ない。
    これは人類の科学力を遥かに凌駕した地球外知的生命体が地球にやって来てはいるが、潜伏、又は地球の生命に擬態して正体を隠している等といった人類には見つける事が出来ないという考察。
  • ② 地球外知的生命体は存在していて、過去に地球に来ていたが最近は来ていない。
    地球外知的生命体は過去に地球にやって来ていて、古代の遺跡等にその痕跡が残されているが、今はもう来ていない。

    「Image Credit:縄文時代に造られた宇宙人の宇宙服にも見える遮光器土偶(Wikipediaより)」
  • ③ 地球外知的生命体は居るが、何らかの理由で地球に来れないでいる。
    高度な文明を持っていて人類の存在を知っている地球外知的生命体はいるが、人類との接触を好まずただ傍観している。
  • ④ 地球外知的生命体は存在しているが、広い宇宙を渡り地球までたどり着く技術がない。
    高度な技術文明を持つ地球外知的生命体が居たとしても、地球との距離が遠過ぎて広過ぎる宇宙を渡っては来れない。
  • ⑤ そもそも宇宙には地球以外に知的生命体は存在していない。
    この広過ぎる宇宙においても人類のような生命体は唯一無二の存在である。
といった考察ですが、この中で④番目の「地球までたどり着く技術がない」というのは現実的で、個人的にも支持出来る考え方ではないか思っています。
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人類と地球外知的生命体とコンタクトは時間軸の厳しい条件がある?

フェルミのパラドックスの条件に載っているかどうかはわかりませんが、もし地球外知的生命体が居るとしたら何故、人類とコンタクトを取れないのでしょうか?
その原因は、宇宙の時間の流れが大きく関係している事もあるのではないでしょうか?
では「宇宙の時間」とはどういう事なのか?

「Image Credit:depositphoto」
人類文明の歴史はせいぜい数千年くらいです。
これを宇宙の時間の流れに置き換えるとほんの一瞬の出来事で、例えて言うなら、数千年は宇宙の時間流れでは瞬きする時間にも満たないと考えても良いかと思います。
つまり、瞬きするほんの一瞬の時間の中で、地球の文明と時間軸が一致する地球外知的生命はどれくらい居るのかという事になるのです。

私たちの天の川銀河内に100億の地球型惑星があっても、その中で知的生命体が進化出来る環境を持つ星はかなり絞られて来ます。
そこから、地球とコンタクトが取れる進化が出来て、尚且つ時間軸も合致する文明はどれくらいなのか?と正直想像もつきませんが、おそらくはこれから文明が発展する途上にある星や発展し過ぎて既に滅んでしまった文明もあるかも知れません。
その様な事から、普通に考えれば条件的にも非常に稀な状態になって来るのではないでしょうか?
ましてや広い宇宙を越えて人類と接触できる文明となれば、もしかしたら皆無に近いかも知れませんし、それが原因で、私たち人類は地球外知的性生命体を見つける事が出来ないのかも知れません。ですが、文明の進化とは関係のない地球外生命体なら宇宙の時間軸も広くなりますので、発見出来る可能性もグンっとアップするのではないでしょうか?
もしかしたら、そう遠くない将来「地球外生命体発見!」という歴史的なニュースが世界中を飛び交う日が来るかも知れませんね。
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