この広い宇宙において、私たちのような生命が住む星は今のところ地球以外に存在せず、というか、現在の観測技術では地球以外に生命を探し出す事は非常に困難な事が現実です。
しかし、これまでの観測結果を分析・研究すると宇宙にはどれくらいの生命がいる星があるのか?理論上、導き出す事が出来るそうです。

そして発表された研究結果は、意外にも期待?が持てるモノでした。

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それは銀河系に3億個以上はあるかも知れない?!

私たちの地球があるのは太陽系であり、その太陽系の中心にある太陽は銀河系(天の川銀河)の中にある2,000億個以上も恒星のひとつに過ぎず、銀河において2,000億分の1の太陽が持つ惑星は8個。つまり、銀河系での惑星の数は2,000億個どころではなく数え切れないほど存在する可能性があり、もしかしたら私たちの暮らす地球のような惑星はかなり多いのかも知れません。

「Image Credit:iStock」
そんな中、アメリカ・カリフォルニア大学の研究チームは天文学の専門誌『Astronomical Journal』にある研究成果を掲載しています。
その研究成果によると、銀河系の中で地球に似た環境条件を持つ惑星は、かなり高い確率で多く存在しておりその数は全銀河で3億個以上にも及ぶとしています。
では、どうやってその数が導き出されたのでしょうか?
その方法はこうです。
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ドレイクの方程式によって導き出された地球型惑星の数

この研究に使われたのは、約2,800にも及ぶ太陽系外惑星の発見に貢献したケプラー宇宙望遠鏡のデータと、銀河系全体の星を監視するガイア宇宙望遠鏡の観測データを合わせて分析する事で導き出されたと言います。

「Image Credit:ケプラー宇宙望遠鏡(左)とガイア宇宙望遠鏡(右)(Wikipediaより)」
そして観測データの計算に使われたのが「ドレイクの方程式」という手法で、この方程式は7つの変数にそれぞれの定義を当てはめて計算する方法で、その定義は以下のとおりとなります。
  • 天の川銀河で1年間に誕生する恒星の数
  • ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
  • ひとつの恒星系に生命の存在の可能性がある惑星の平均数
  • 生命存在の可能性がある惑星において、実際に生命が誕生する割合(確率)
  • 誕生した生命が知的生命体へと進化する割合(確率)
  • 知的生命体が文明を持ち星間通信が出来るまでに発展する割合
  • 知的生命体による文明の技術が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)
これらの要素を考慮し、観測データに当てはめた結果が予想以上に高い確率で算出されています。
ちなみに使われた観測データは、ケプラー宇宙望遠鏡が観測した恒星のデーと、ガイア宇宙望遠鏡が追跡している約10億個もの恒星が持つであろう岩石惑星から大きさが地球に近い惑星を特定。
これらの恒星系からより太陽に似た恒星を特定し、さらにそこからハビタブルゾーン位置する惑星がどれくらい存在するのかを推定しており、観測データに条件を当てはめる事で算出されたのが、銀河系にある太陽に似た恒星のうち58〜88%が地球に似た惑星をもつ可能性があるという計算結果です。
しかも、そのような惑星は意外に地球の近くにも存在している可能性があり、最も近い惑星で20光年以内で、33光年以内には4つもあると言います。

銀河系に知的文明の存在はどれくらいあるのか?

ドレイクの方程式では、地球外文明の数も求める変数値があるのですが実際のところそこに当てはめる数値の特定は難しい状態で、現時点では、銀河系内に知的生命体がどれくらいいるのかは未知数だと言います。
また、ケプラー宇宙望遠鏡が発見した地球型惑星のほとんどは、太陽よりも質量がずっと小さい赤色矮星に属しています。

「Image Credit:赤色矮星・TRAPPIST-1と太陽の比較(YouTubeより)」
そのため、同じハビタブルゾーンに位置していても地球とは全く環境が異なる可能性も高く、果たしてその星に知的文明が存在し得るのか?も疑問が残るところです。
更には、もし知的文明が存在するかも知れない惑星があったとしても、今の人類と同じ時間軸の中で文明が発展しているかも未知数。
人類の文明が発達した期間は数千年程度。この時間を宇宙の時間の流れに当てはめるとほんの一瞬にしか過ぎません。
つまり、ほんの一瞬の時間の中で、同じ時間軸で文明が発達しているとしたら、それは奇跡に近い事と言えるのかも知れません。
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