大ヒットを記録した新海誠監督の長編アニメショーン映画「君の名は。」
この映画で登場する彗星「ティアマト彗星」がネットで話題を呼んでおり、映画で登場するこの彗星は物語の重要なポイントとなる存在で、彗星によってストーリーが展開して行きます。
しかし、この彗星は天文ファンの間では、実際には「あり得ない存在」として、否定的かつ現実的ではないと見られているようです。
果たして、映画「君の名は。」で登場する「ティアマト彗星」はどんな天体なのでしょうか?
そして、「ティアマト彗星」を取り上げることによって、本当の彗星とはどんな天体なのか?を知ってもらいたいと思います。
大ヒットアニメ映画「君の名は。」の聖地巡礼
2016年公開の長編アニメショーン映画「君の名は。」は、興行収入100億円超で空前の大ヒットを記録しました。この映画の見どころはストーリーはもちろんですが、「聖地巡礼」という言葉が流行ったほど映画に登場する実在する風景を見に行こうとするファンが、映画のヒットともに急増した事で話題になっていました。
実在の風景と、映画で登場する風景とがシンクロしリアルな事もあり、その場所には多くのファンが詰め掛け経済効果も生み出す事となった事も大きな話題で、それが現実の風景描写とマッチし美しく圧倒的な風景描写が、映画を観る人の心を捕えているのも大ヒットの要因の1つとなっています。
劇中に登場する「ティアマト彗星」は実在する?
映画「君の名は。」の魅力の1つとなっているのが、アニメなのに実在する風景がリアルかつ美しく描かれている事ではないでしょうか。そんな映画で登場する彗星「ティアマト彗星」もまた、現実の彗星のようにリアルなのか?と思い、一部のネット情報では「近いうちに実際にティアマト彗星が地球に接近する?!」とまで噂が飛び交う事態になったほどでしたが、残念ながらそんな彗星は実在してはおらず架空の彗星で、尚且つ天文ファンの間では「彗星はリアルではない。」と不満も挙がっているようで、現実描写が魅力になっているこの映画では彗星の描写だけはちょっと違ったようです。
しかし、物語で登場する「ティアマト彗星」はとても重要な存在で、この彗星の出現によって物語が展開していきます。
「Image Credit:映画「君の名は。」より」
ちなみに「ティアマト彗星」の”ティアマト”とは、古代メソポタミア神話に登場する蛇身の女神の名前だそうです。
「ティアマト彗星」とはどんな設定?
何度も言いますが、「君の名は。」に登場する「ティアマト彗星」は物語の軸となっている重要な存在です。では、この彗星は物語の中でどんな設定になっているのでしょうか?
「ティアマト彗星の設定」
- 1200年周期で太陽を周回している彗星
- 地球と月の間を通過する大接近をしている
- 彗星の破片が地球(日本の町)に落下し大惨事を引き起こしている
- 彗星落下が原因で?主人公男女2人のカラダが入れ替わる
架空の彗星から学ぶ本当の彗星の実態
何故、天文ファンが「ティアマト彗星」を現実的でないと否定しているのでしょうか?多くの人が観たであろう映画「君の名は。」から、実際の彗星とはどんな天体なのか?少しで良いので知って頂きたいと思います。
長周期彗星は回帰しない?!
実際の彗星と「ティアマト彗星」の違いは、まずティアマト彗星が1,200年周期の天体である事にあります。こういった長期間で周回する彗星の事を長周期彗星と呼び、実際に長い年月をかけて太陽に接近する彗星は存在していますが、1,200年周期といった長周期彗星の軌道は極めて不安定で、そのためこのような彗星は一度太陽に接近したら二度と回帰しないと考えられています。
なお余談ですが、長周期彗星はがやって来るとされているのが、太陽系の外縁部にあるオールトの雲で、この領域は彗星の故郷とも呼ばれています。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
彗星が異常接近するとどうなる?
次に、彗星が「地球と月の間を通過するなんてあり得ない」という事。と言うより人類は未だそのような彗星の大接近を経験していません。例えば、有名なハレー彗星は1910年に地球に大接近をし、そのときに見ることが出来た大彗星の壮大な姿は当時の人々に不安を抱かせ、一部では「この世の終わり」とまで騒がれパニックも起こすほどでした。
にも関わらず、ハレー彗星と地球との距離は数億キロも離れており、月の軌道の遥か外側でした。
また、地球に非常近づいた彗星として知られる百武彗星(1996年大接近)。この彗星は、地球に約1,530万キロまで接近しこの距離は地球と月との距離の約40倍に相当します。
「Image Credit:百武彗星(Wikipedia)」
さて映画では「ティアマト彗星」は地球と月の間を通過したとありますが、もしそんな距離で彗星が通過するとどうなるのでしょうか?
物語では「ティアマト彗星」の大きさはわかりませんでしたが、通常彗星の核(本体)の部分は数百メートル~数十キロあり標準的な大きさは数キロと言われており、彗星が太陽に接近することで核から大量の塵やガスが噴き出します。そしてそのガスは核の大きさの数百倍にも広がり彗星本体をスッポリと包んでしまいます。
もし「ティアマト彗星」が標準的な彗星の核の大きさであったのならば、地球と月の間を通過する際はガスが地球を巻き込むほどの大きさまで成長するかも知れません。
そうなったのならば、地上からはもっと違う見え方になり彗星の尾にも地球が包まれてしまう可能性があります。
そしてさらに恐ろしいのは、そこまで彗星が接近すると彗星そのものが地球の重力に引かれ地上に激突する恐れがあるという事。そのような事態になったとしたら大惨事は免れません。
ともかく、リアルさが魅力の「君の名は。」では、彗星の描写だけは現実離れした少しロマンティックなモノになったのかも知れませんね。
それでもリアルさが描かれている「ティアマト彗星」?
現実とは違う?「ティアマト彗星」。しかし、この彗星の見え方は現実の彗星の特性をしっかりと表現しているようにも見えます。
それは、彗星の構造を見ていただければわかるように、「ティアマト彗星」から伸びる尾には”イオンの尾”が描かれているのではないでしょうか?
「Image Credit:Wikipedia」
彗星が太陽風に吹かれて長い尾を引く姿は、最も目立つ塵の尾とその横に流れるプラズマで構成されるイオンの尾と2種類があります。
これは、リアルさが出ている「君の名は。」だからでしょうか?見逃しがちなイオンの尾が、しっかりと描かれているようにも見えます。
現実に「ティアマト彗星」のような彗星が接近する可能性は?
壮大で美しい姿を見せてくれる大彗星。「ティアマト彗星」のように肉眼でハッキリ見える彗星が、今後出現する可能性はあるのでしょうか?
残念ながら、現時点(2016年)ではそのような彗星の情報はありません。
しかし、地球から肉眼で見えなくても、太陽に接近する彗星は毎年のように出現していますので、もし、今後、大彗星になりやすい長周期彗星が発見されたとすれば、もしかしたら「ティアマト彗星」のような壮大な姿が実際に見れるかも知れません。
概ね妥当な解説、でも一つ。130年周期の彗星がいずれ地球に落下の可能性あります。ここ10公転位は大丈夫のようですが。天文ファンとしては、地球激突見たいかも?流星嵐もみれるかも。
スウィフトタットルという彗星の母天体が2126年に地球に大接近する可能性はあるとのこと。名前は忘れたんだけど国際的なフォーラムで現実そのことについての話し合いがされたとかなんとか。
衝突はしなくても太陽の熱に暖められることにより発生する大量のガスが、水蒸気のような形で地球をスッポリ包み込んでしまうということらしい。ものすごい熱に地球表面は晒される可能性があるとのこと。因みにこの彗星の欠片が今から1200年だか1500年前だかに日本のどこかに落ちた可能性はあるのだとか。( 曖昧ゴメンなさい)「君の名は」のティアマト彗星の元ネタなのか全く関係ないのかは知らないけど、この彗星についてなんとかしようという動きがあったのは( 今もその動きがあるのかは不明) 確かです。
彗星をなんとかしようというアクションだけは映画と被る。にわかでした天文ファンの人たちゴメンなさい。失礼します。m(_ _)m
にしては、ロシュ限界なんてワードもはいっていましたから、一応考察はされているのでしょう。月と地球の間は荒唐無稽ですが、1200年毎に地球上の特定地点に隕石落ちるのも荒唐無稽ですから
一万年前にグリーンランドに隕石が衝突して、ヤンガードリアス期が訪れた可能性が高いらしく、人類史に影響を与えたらしく、調べてみるとこの地に隕石が落ちるのはニ度目だったらしい。君の名は。は多分人類の記憶で出来た映画だと思う