いきなりの質問ですが、ダイソン球という言葉をご存じでしょうか?
とは言っても、おそらくは耳馴染みのない方も多いでしょう。

これは空想上の人工物の名前で、人知を超えた超科学力を持った超高度文明の異星人、知的生命体が、恒星のエネルギーを根こそぎ吸収するために造ったとされる、恒星をまるまる包み込む程の巨大な構造物の事です。
今回はそのダイソン球が実在するかも知れない?!というお話です。

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ダイソン球は超高度文明の異星人が造った建造物?

ダイソン球とはいったい何なのでしょうか?
地球に住む知的生命体である私たち人類が、生きるため、そして文明を維持する上で必要不可欠なのはエネルギー資源です。

現在、人類が必要とするエネルギーのほとんどは、地球にある資源を使って生み出しています。
それは、石油や天然ガスなどの化石燃料であったり、ウランやプルトニウムを利用した原子力であったりと、それらから取り出したエネルギーを使って生活し文明を維持しています。

「Image Credit:WIRED.jp」
ダイソン球もまた、エネルギー供給手段の1つと考えられており、究極のテクノロジーを利用して太陽エネルギーを壮大なやり方で取り出しているという方法です。

ダイソン球は、恒星(太陽)を、まるごと覆ってしまう事で恒星から発生するエネルギーを、すべて利用するという超巨大なエネルギー供給設備です。

「Image Credit:Kevin Gill」
これは、当然ながら今の人類に造れるハズもなく空想上の建造物に過ぎないのですが、もしかしたらダイソン球は実在するのではないか?と思えるような天体が見つかったことで話題になっているのです。
もしそれが、本当にダイソン球なら、人類の想像をはるかに超えた超高度な文明を持つ異星人・エイリアンが実在するという事の証拠になる事は間違いないでしょう。

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実在する?ダイソン球とは

ダイソン球ではないか?
と話題になった天体は、太陽系から見てはくちょう座の方向に1,480光年もの彼方にある「KIC8462852」という恒星系に見つかっています。

「Image Credit:赤四角で囲んだ恒星がKIC8462852(Wikipediaより)」
「KIC8462852」は私たちの太陽の1.5倍ほどの大きさがあるF型主系列星「KIC8462852A」と、暗くて小さい赤色矮星「「KIC8462852B」から成る2連星なのですが、主系列星の「KIC8462852A」を観測していたケプラー宇宙望遠鏡が奇妙な現象を発見しています。
それは「KIC8462852A」が何かの影に隠れるかのように不規則に減光する現象で、「KIC8462852A」が15~22%も減光しているというモノでした。

「Image Credit:Wikipedia」
それがどんな奇妙な現象なのか?というと、通常は木星クラスのような巨大な惑星であっても、恒星の前を横切る公転時の減光は1~2%程度で、惑星が恒星を横切るときはそれほど減光しないのです。
しかし「KIC8462852A」の場合は、惑星が横切るときのある程度一定の減光ではなく不規則に光が遮られており、まるでそれが巨大な建造物によって光が遮断されているかのように見えたのでした。

この現象から推測したところ、超高度な文明を持つ異星人が造ったダイソン球ではないか?という話が持ち上がって来たのでした。
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謎の減光。真相は?

「KIC8462852」は1,480光年もの彼方にある恒星のため、真相は謎のままというのが正直なところだったのです。

真相がわからない状態で様々な仮説が挙がっており、異星人の巨大建造物というダイソン球の説もあるのですが、そんな荒唐無稽な説などあり得ないという科学者は、惑星衝突で出来た無数の惑星の破片が
恒星の前を横切っているため不規則な減光になって見えるという仮説や、また「KIC8462852」が太陽系から遠いため、その間にある星間物質で遮られ歪んで見えているのでは?という説などがありました。

しかし、その後の詳しい調査で、おそらくは「KIC8462852」を囲むダスト円盤が恒星をわずかに覆い隠すように見えるという状況が生じ得たためではないか?との有力な説が浮上して来たのでした。

「Image Credit:popsci
確かに、この説を言われてみれば納得する事が出来ますが、まだ有力な説という事であり確定はしていないのですが、今後も調査は継続するという事ですので近いうちに正体が判明する事でしょう。
ですが、高度な文明を持った異星人の構造物(ダイソン球)説も、わずかに残っていますので少し楽しみなところではあります。
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